6日未明に北海道を襲った震度7の地震。各地で懸命な救助活動、復旧作業が続けられている。建物崩壊、道路陥没、土砂崩れ、停電など道内の被災状況を写真や資料でまとめた。経済産業省は6日、地震による北海道全域の停電について、北海道電力が同社最大の火力、苫東厚真火力発電所(厚真町)が一斉に停止する事態を想定していないことが一因だとの見方を示している。(まとめ 共同通信=柴田友明)
停止中の北海道電力泊原発1~3号機は6日午前3時25分、使用済み核燃料を貯蔵中のプールの冷却に必要な外部電源を喪失したが、約9時間半後の午後1時までに復旧。立地する泊村で観測されたのは震度2で、揺れが原因ではなく、地震で道内全域が停電した影響だった。原子炉に燃料はなく、重要設備に異常は見られないとするが、原子力規制庁は、情報提供が不十分だったとして北海道電に改善を指示した。
1~3号機の各プールには使用済み燃料計1527体があり、非常用発電機6台が起動し冷却を続けた。プールの温度は22~24度で、発電機の燃料は冷却を7日間継続できるだけ確保されていた。北海道電は外部電源喪失後、水力発電所を起動。午前6時すぎ、外部電源の一部が復旧したが、近隣の変電所のトラブルで約15分後に再停止した。その後、3号機が午後0時13分、1号機が同51分、2号機が1時に復旧した。作業の途中段階で外部電源の一部が再び復旧していたが、北海道電が規制庁に報告したのは数時間後だった。