古河電工、高圧ハーネス生産3倍へ 中国にチューブライン増設

 古河電工は2年後をめどに電動車に用いる高圧ハーネスの生産数量を3倍に拡大させる。採用車種を増やしながら生産能力を順次増強。2019年には中国深せんの工場で数億円を投じて電線の保護などに使用する「SPチューブ」の製造ラインを増設するほか、その後は北米や東南アジアなどでも高圧ハーネスの生産を検討する。

 高圧ハーネスは電動車のモータや電池回りの配線として使用する製品。同社では日系自動車会社から受注を獲得し17年末から中国深せんの工場で量産している。電動車関連の市場は今後長期的に拡大すると見ており、成長が見込まれる注力製品に位置付けている。

 「SP(シールド・プラスチック)チューブ」に耐熱電線を入れ、ロボットで採用車種に合った形に曲げ加工して製造。チューブは独自の樹脂・アルミ・樹脂の3層構造。軽量でありながら強度と電磁波ノイズを拡散させないシールド性に優れる。深せんに増設するチューブのラインは2基目で、能力は倍増。樹脂の押出やアルミ板のフォーミング・溶接などを一貫で連続的に行う設備となっている。今後は能力増と併せて口径サイズのラインアップ拡充も進める。

 採用車種が増えれば消費地生産も検討する方針。自動車部品事業副事業部門長の山井智之執行役員は「北米や東南アジアなどの拠点でロボットを導入し組み立てや曲げの加工を行うことも考えたい」と話している。

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