来れ、サラリーマン左官 技術継ぐ人材育成、職人を正社員採用

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「クラフトマンベース」で那須哲夫さん(奥)の指導を受けながら、ブロック積みの練習をする山元諒生さん(中央)と野添星輝さん=熊本市中央区

 来れ、サラリーマン職人-。熊本市中央区平成の外構・造園工事「アウテリアタイガー」は、左官職人の正社員採用を始めた。安定した会社員として若者を雇用し、技術の継承や人材育成を図るのが目的だ。

 日本左官業組合連合会(東京)によると、左官従事者はピーク時の1981年に16万3600人だったのが、2015年には7万3600人と半分以下に減少。「職人の高齢化や担い手不足は深刻な問題」という。「アウテリアタイガー」の倉沢高幸社長(51)は「庭や外構は左官仕事がメイン。自社で育成していくしかないと考えた」と話す。

 同社が正社員採用したのは、今春高校を卒業した野添星輝さん(19)と山元諒生さん(18)。指導役として、左官歴46年の那須哲夫さん(64)も正社員として雇用。3人は庭や外構などを施工する「ガーデン左官」として、塗り壁やタイル貼り、ブロック積みなどを行っている。

 個人事業主や下請けが多い建設職人の世界では、多くの場合、日給や出来高制をとるため、天候や景気などに収入が左右されやすいという。同社では、正社員化により固定給とし、賞与や昇給制度、社会保険を完備。有給休暇や産休・育児休暇制度も整えた。

 5月には、技術向上や資格取得をバックアップするため、技術訓練場「クラフトマンベース」を新設。野添さんは「下積みが長いイメージだったけど、実践を通して技術を身に付けられる」、山元さんは「安心して働ける。完成した現場で達成感を味わえる」と意欲を語る。

 倉沢社長は「職人の魅力や仕事のやりがいを伝え、継続して採用していきたい」と話している。(西山美香)

(2018年9月6日付 熊本日日新聞朝刊掲載)