県内学生「いつから準備すれば…」 就活ルール廃止論

今年3月、熊本市で開かれた県内企業などの合同説明会。学生たちは、採用担当者の話に熱心に耳を傾けていた

 経団連の中西宏明会長が「個人的意見」として提案した学生の採用ルール廃止。現在の大学2年生の就職活動から、会社説明会や採用面接の時期を申し合わせた経団連の指針を廃止すれば、就活のみならず、学生生活への影響は必至だ。県内の大学や学生からも戸惑いの声が上がる。

 「ルールを撤廃すれば学生たちが混乱する」。熊本大の日和田伸一就職支援課長は危機感をあらわにする。現在の学生たちは3年生時の3月1日からの会社説明会、6月1日の選考開始、10月1日の内定解禁-のスケジュールを前提に就職活動に取り組んでおり、「いつから準備するのか分からず、学業とのバランスも取れなくなる」。

 熊本学園大就職課の嶋田文広課長は、ルールの廃止で日本企業が欧米並みに通年採用へ傾く可能性は低いとみるものの、「今後は1、2年生のうちから自分のキャリアデザインを見詰める時代がくる」と分析する。

 戸惑いの声は学生たちにも。熊本地震の語り部活動に取り組む東海大農学部2年の内田将人さん(19)は「学生にはボランティアやバイトなどで社会経験を積む余裕も必要だ。就活一辺倒にはなりたくない」と訴える。

 熊本大工学部2年の本田伊織さん(19)は「1、2年生は研究テーマをじっくり考える時期。すぐに進路を考えろと言われてもピンと来ない」と困惑。

 一方、「過剰な競争を防ぐルールは必要」としながら、県立大文学部2年の本田真子さん(20)は「入学時から就活に真剣に向き合える環境は大事」と話す。(太路秀紀、堀江利雅)

(2018年9月6日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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