~鉄・路をゆく第10回~近鉄ビール列車つどい

~鉄・路をゆく第10回~近鉄ビール列車つどい

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今各地の鉄道会社がこぞって走らせ人気を博しているビール列車。近鉄では観光列車“つどい”車両を使用したビール列車が毎年夏、近鉄主催の企画商品列車として運行されている。大阪上本町駅を出発し八木駅手前の短絡線を経て橿原神宮前駅へ。トイレ休憩後橿原線を走行し、大和西大寺駅から奈良線経由で大阪上本町駅までを一周する約2時間半の行程。車内ではおつまみ弁当、キリン一番搾りが到着30分前まで飲み放題であり、列車で飲むという非日常感を味わえ、楽しめるイベント列車である。

大阪上本町駅地上8番線側から乗車。今列車はキリン一番搾りが飲み放題、盛大楽しめるビール列車である。

使用列車である観光列車“つどい”2013系は、近鉄の通勤車である2000系2107Fを内装外装共に大幅に改造を施された為付けられた系列である。
2013年10月デビュー当時は、外観はシルキーホワイト1色をベースとし、伊勢神宮や海の幸、伊勢・鳥羽・志摩の魅力をイラストで表現した
明るい外装だったが、2018年7月のリニューアルでは、ブラウンとクリームのツートンカラーに金帯をまとった、シックで落ち着いたこの外装となった。

つどいビール列車は企画旅行商品の為、近鉄の駅営業所での申し込みが必要。今回はキリンビールだったが、アサヒビールと交互設定をしているので、好みで選ばれる方も。

窓側に向けられた2人1組の座席が特徴のつどい。

乗車すると乾杯(1杯目)のビールとお弁当があらかじめ用意されていた。つどい列車の包み紙と記念コースターは即お持ち帰り。

多種少量といったおつまみ弁当。ちなみにソフトドリンクやおつまみなどは持ち込み自由。

ひと車両専任のスタッフさん2名ががせっせとビールを注いだり、運んだりしてくれます。
右奥の壁がつどい唯一の化粧室。

化粧室内部。うみのトイレをイメージ。元々は和式だったが、つどいに改造の際に洋式へと変更された。

つどい3両目(ク2107)の前方フリースペース。コンセプトは「風のあそびば」。右の窓下部にクネットと呼ばれる手すりを配しているのが見える。

フリースペースから座席方面を見る。

3両編成の中間2号車(モ2013)は、乗客の乗り降りとフリースペース。キリン一番搾りの文字が前後左右目に入ってくる。今回は準備スペースで使用されていなかったが、バーカウンターが備えられている。

橿原神宮前駅では15分のトイレ休憩。その間に列車は定期列車用にホームを空ける為、吉野方へ引上げる。乗務員は線路上を歩いて入れ替わる。
ちなみに乗車したままこの引上げ線体験することは構わないが、きっと尿意にはかなわない。

橿原神宮前駅で1番線ホームに転線したつどい。左は京都行急行。

転線した1番線の行先表示。

大和西大寺駅手前でラストビールの車内アナウンスが。30分で飲み干すであろうビールを手元に頂く。

このルート最大の見どころ、近鉄奈良線石切~瓢箪山駅間から見える大阪市内の夜景。車内灯がついたままであったのが残念。

名残惜しくも2時間32分のビール列車は終わりを告げた。

しかしまだ飲み足らない、鉄分不足だという方におすすめのバーが大阪上本町にはあるのです。

大阪上本町駅からすぐのハイハイタウン地下1階にキハ58風面構えの立ち飲み鉄道バー“駅”さん。この日もつどい乗車の方が流れてきていました。(以前撮影)

さまざまな鉄道関連グッズで埋め尽くされた店内。パラダイス。

酒のつまみは様々な鉄道グッズで。

おつまみは缶詰やお菓子が鉄道グッズに紛れてカウンター上に。店長、いや駅長に言うと温めてくれます。

実際に使われていた行先板も手に取って、好きなように楽しめる。

現金のみ。チャージなし。明朗会計。

このくまもんが目印ですが、きっと外観ですぐわかります。関西では有名な「となりの人間国宝さん」ステッカーも頭近くの窓に。
営業時間17時~23時。定休日:日曜・祝日(臨時営業日ありとのこと)

撮影:稲葉訓也

撮影日:2018年08月30日(木)他

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