【北海道地震】鉄鋼各社にも影響、停電で工場操業休止

 北海道胆振地方で6日未明に発生した最大震度7の地震で、道内に生産拠点を構える鉄鋼各社にも影響が出た。6日午後4時時点で道内全域で大規模な停電が続いており、多くの工場が操業を休止している。詳細な被害状況はまだ分からないものの、自動車など鉄鋼需要家への影響も懸念され、道内に限らず原材料や製品のサプライチェーンに混乱が生じる可能性もあり、今後の動向が注視される。

 震度5弱を観測した新日鉄住金の室蘭製鉄所(室蘭市)では地震発生を受けて生産設備を急きょ停止し、点検作業を行った。大きな設備被害はないとみられるが、北海道電力からの電力供給が停止しており、この影響で6日午後4時時点で線材ミル、棒鋼ミルが休止している。

 同製鉄所では自家発電設備が稼働しているものの、外部からの電力供給なしでは所内の使用電力を全量賄うことができないため、線材、棒鋼ミルを休止している状況。電力の供給の正常化を待ちながら操業再開の準備を進める。

 三菱製鋼室蘭特殊鋼の室蘭製作所(室蘭市)も停電の影響により全ラインが停止中。6日午前4時ごろに連続鋳造機で発生した小規模な火災は午前10時26分に鎮火を確認した。日本製鋼所・室蘭製作所でも人的被害はなく、設備点検を行っている。

 JFE条鋼・豊平製造所(札幌市)、清水鋼鉄・苫小牧製鋼所(苫小牧市)の普通鋼電炉2社の拠点では大きな設備被害は確認されていない。ただ、両社とも停電の影響により操業を休止している。

 札幌地区、苫小牧地区の主要な鋼材在庫特約店では在庫品の一部荷崩れが発生しているところがある。建屋・加工設備については大きな被害はなかったもようだ。

 人的被害も確認されていない。

 道内の鋼管流通、管材商には操業に支障のある大きな被害は出ていないもよう。6日は社員を自宅待機とし、休業したところが多かった。

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