社説:北海道で震度7 引き続き厳重な警戒を

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 最大で震度7の地震が、北海道で起きた。

 10段階ある震度階級の中で、最も強い揺れだ。国内では2016年の熊本地震以来、北海道では初めて観測された。

 大勢の死傷者が出たうえ、安否不明者もいる。まずは人命が第一と考え、救援活動に取り組まねばなるまい。

 地震は、内陸の活断層がずれて起きたとみられる。津波の心配はないものの、余震が続いている。大きな地震が2度起きた熊本の例もある。今後1週間ほどは、同規模の地震が再び発生する可能性が小さくないと、気象庁は注意を呼び掛けている。

 震源地に近い厚真町や安平町では、大規模な土砂崩れがあった。先の台風21号や前線の影響による大雨によって、広い範囲で地盤が緩んでいる。二次災害の恐れもあろう。

 いずれにせよ、引き続き厳重な警戒が必要だ。

 発生直後に北海道電力は、道内全ての約295万戸で停電したと発表した。

 厚真町にある苫東厚真火力発電所の停止で、道全域の電力需給バランスが崩れたため、次々と他の火力発電所を緊急停止させた。

 水力発電所の電気を火力発電所に送り、発電再開に向けて作業を進め、一部は復旧した。

 とはいえ、救援活動や医療機関での治療、災害情報の受発信などに、電気は不可欠だ。

 停電の続くところは当面、非常用電源に頼るしかないが、これには限りがある。電力事情が震災前の状態に戻るよう、復旧を急いでもらいたい。

 泊原発(泊村)は、近くで震度2の揺れがあり、外部電源を一時喪失した。

 現在停止中で、1~3号機の原子炉に核燃料は入っていなかったが、使用済み燃料がプールに貯蔵されている。

 電源喪失時は、非常用発電機で冷却した。7日間以上は継続できるとしているが、備えを怠ってはならない。

 政府は、危機管理センターに対策室を設置した。被害は現在、判明しているものだけではないはずだ。全容の把握に努め、何より迅速に対策を講じてほしい。

 現地で活動を始めた自衛隊を2万5千人態勢に拡充し、地元の警察や消防、海上保安庁に加え、他地域の応援部隊を派遣するという。資源を集中し、救援、復旧に全力を挙げるべきだ。

[京都新聞 2018年09月07日掲載]