ルフィの仲間たちの像も 県内各地熱望 復興後押しへ

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熊本復興支援企画のために描き下ろされたワンピースのイラスト(県提供)
県が等身大ルフィ像の設置を計画している県庁プロムナード=熊本市中央区

<こちら編集局増刊号>  県が人気漫画「ONEPIECE(ワンピース)」の主人公「ルフィ」の立像を県庁内に建てるそうですね。熊本地震の被災地に、ほかのキャラクターの像設置も検討しているそうですが、海賊にちなみ有明海沿いに建てたらどうでしょう。8億円を寄付した作者の尾田栄一郎さんも喜ぶのではないでしょうか。(熊本市、会社員・男、70)=7月21日掲載

 「ONE PIECE(ワンピース)」はコミックスの累計発行部数が4億4千万部を超え、ギネス記録を更新中の言わずと知れた人気漫画だ。その主人公「ルフィ」の等身大立像が県庁プロムナードに設置されるというニュースは、県内外で大きな反響を呼んだ。

 熊本地震の復興支援に尽力した熊本市出身の漫画原作者・尾田栄一郎氏への県民栄誉賞贈呈を記念した県の取り組み。世界初の常設立像になるという。

 さらに、ルフィと共に冒険を続ける「麦わら海賊団」の立像設置も検討されている。6月県議会で、蒲島郁夫知事が「被災地にルフィの仲間たちの像を展開できれば、被災地を勇気づけることにつながる」と表明して以降、県内各地で設置を待望する声が出ている。

 電話をかけてきた寺本涼一さん(70)も期待する1人。「70歳の私でも読んでいるワンピースの銅像ができれば、復興の大きな後押しになる」と喜んでいた。

 実際、全国では既に多くのキャラクター像が原作者の出身地などに建てられ、地域活性化に貢献している。

 「ゲゲゲの鬼太郎」の作者水木しげる氏の出身地である鳥取県境港市では、「水木しげるロード」に妖怪のブロンズ像177体が並び、年間約200万人が訪れる。阪神大震災からの復興のシンボルとして神戸市に建てられた「鉄人28号」の巨大像(高さ15メートル)は、観光名所として定着した。

 こうした他県の成功例に続こうと、県内各地で誘致の動きが出ている。

 6月の宇城市議会。一般質問で、市は「設置してもらえるよう準備していく」と意欲を示した。「世界文化遺産の三角西港に設置できれば、観光客も増えるはず」(企画課)と思い描く。

 大津町の「道の駅大津」はキャラクター立像の設置を求める署名活動を展開中。三池和臣営業課長(39)は「道の駅大津は阿蘇観光の入り口で、利用客の半数以上が県外。集客だけでなく熊本地震の風化防止にもつながる」。8月末までに900人分以上が集まったという。

 熊本市中心部の9商店街でつくる市中心商店街等連合協議会も、市中心市街地への設置を求めていく方針。安田二郎会長(67)は「中心市街地は更地のままの場所も多く、復興はまだまだ。修繕費などで疲弊している店も多く、復興の大きな起爆剤にしたい」と意気込む。

 県にはこれまで、自治体や団体から10件ほどの問い合わせがあったという。各地から送られる熱いラブコールに、担当する県秘書グループは「仲間の像は建設可能かどうかの協議を始めた段階で、誘致合戦になっても…」と困惑気味。「ルフィ像が設置できるだけでもすごいこと。まずはルフィ像建設を最優先したい」

 ルフィ像は尾田氏監修の下、制作に着手しており、年内に除幕できる見通しという。県秘書グループは「尾田先生と集英社さんの厚意による復興プロジェクトなので、震災からの復興を第一義に、ワンピースの世界観を壊さないよう進めていきたい」と力を込める。

■“寄港”待ち遠しい

 小学生の頃から読んでいるワンピースの等身大ルフィ像が熊本に設置されるなんて、胸が高鳴ります。取材を通して、世代を超えて愛されているすごさを改めて感じました。「道の駅大津」が署名活動を始めたきっかけも、ワンピースの熱烈なファンという「たい焼き店」店長の後押しだったとのこと。熊本地震からの復興に向け、まずはルフィ、そして「麦わら海賊団」の仲間たちの“寄港”が待ち遠しいです。(南関支局 長濱星悟)

(2018年9月7日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

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