胆振巨大地震、厚真震度7

停電で大混乱、未明の悪夢

 6日未明に発生した北海道胆振東部地震。室蘭市内では直後に発生した停電や断水の影響で市民生活が混乱。市内全域で信号機が消えバスも運休。警察官が終日対応に追われた。スーパーやコンビニエンスストアは食料品などを求める市民が殺到し、早々に店じまい。断水地域では給水を求める長い列も見られた。
(本社報道部)

室蘭、交通もスーパーも

生活物資を求め、列をつくる市民ら=6日午後1時ごろ、室蘭市東町

 室蘭署によると、地震による停電の影響で同日午後4時現在、信号機全373機のうち東町3の交差点など2機のみが機能している状態。信号機が消えた交差点では、署員が手信号で交通整理に当たっている。

 JR北海道は全線運休となった。東室蘭駅では停電によりシャッターを上げられない状態が続いている。同駅の職員が切符払い戻しのスタンプを押すなど対応に追われた。道南バスは全線を運休。営業部営業担当の高本克彦次長は「信号は消え、一部で道路の陥没があると聞いている。安全を確保できない以上運休せざるを得ない」と話す。同日午後4時現在、再開の見通しは立っていない。

 中島本町のスーパーアークス中島店では、午前8時から店前でのワゴン販売を実施。水や缶詰、ティッシュペーパーやトイレットペーパーが飛ぶように売れ、午後3時に閉店。前中秀洋店長(46)は「レンジで温めるご飯などが人気。パンも2、3千個用意したがすぐになくなってしまった」と振り返る。きょう7日も午前8時から営業する予定だ。輪西町のツルハドラッグ室蘭輪西店では停電中ながら午後5時まで営業。パンや乾電池、懐中電灯は早々に売り切れたという。きょう7日の営業は未定だ。

 知利別町のセブンイレブン室蘭知利別町店は午後2時に食品棚が空になった。石塚建太店長(33)は「午前中はパートさん、午後は学生さんが手伝いに来てくれた。家のこともあるのに助かります」と語った。

 東町の市営住宅では停電で水をくみ上げるポンプが使えなくなった。市営住宅前には陸上自衛隊第71戦車連隊第1戦車中隊の給水車が出動。住民が給水袋を手に長い列をつくった。

 水の給水を受けた東町の主婦、吉川優子さん(72)は「トイレも風呂も使えず困ってます」とため息を漏らした。八丁平でも一時断水し、八丁平北公園や八丁平南公園など4カ所で市や同隊の給水車が置かれた。

 祝津町の養護老人ホームあいらんでは、節電を心掛けつつ職員と共にカラオケを楽しみ入居者の不安を和らげるよう工夫していた。

 入居している70代女性は「揺れで目覚め、怖かった。今もまだ揺れるのではないかと思うと不安。でもみんなが楽しそうに歌っているのを見ると嫌なことも忘れることができますよ」と笑みを浮かべた。吉田正秋施設長は「停電が長引くと、入居している方のストレスもたまってくる。精神的にフォローする必要がある」と語った。

西胆振4市町に避難所

信号が消えた影響で渋滞する交差点=6日午後1時ごろ、登別市鷲別町

 北海道胆振東部地震で、白老町を含む西胆振3市4町のうち、室蘭、登別、白老、壮瞥各市町で計18カ所の避難所が開設され、計344人(6日午後6時現在)が避難している。室蘭民報社のまとめでは、けが人は西胆振では計3人(室蘭2人、伊達1人)で、いずれも軽傷。停電の影響を受け、西胆振管内各所の信号機は引き続き停止。公共交通機関は運休が続く。室蘭市内の一部地域では給水も始まり、各方面への影響が続いている。

 室蘭市の災害対策本部によると、市内8カ所に避難所を開設。停電や断水の影響などを受け、白蘭小学校の85人をはじめ、計253人(いずれも同日午後6時現在)が避難している。同市では市内4カ所(水元町、神代町、幌萌町、八丁平)で給水を始めた。このほか、岩手県宮古市に食料千食分やランタンなどの物資応援を要請した。

 また、札幌南インターチェンジ(IC)―登別東IC上下区間が通行止めとなっていた道央自動車道は6日午後1時に通行止めが解除されたが、国道37号白鳥大橋は停電の影響で、同日午後5時から通行止めとなった。

 胆振教育局によると、西胆振3市3町の小中学校計59校と、公立高校計9校は、きょう7日も引き続き休校。北海道大谷室蘭と海星学院の私立高校2校も、同じく休校となる。

 市立室蘭総合、製鉄記念室蘭、日鋼記念の室蘭市内3総合病院は、6日はいずれも外来診療を中止し、救急患者のみを受け入れた。 きょう7日について、製鉄記念室蘭病院は「通常電源が安定的に供給できる態勢となるため、外来診療の再開など、通常通りの受け入れ態勢」となる見通し。ほかの2病院は、「停電が続いた場合は、外来診療は中止する」としている。
(本社報道部)

十分な電力に1週間以上

 北海道電力などによると、道内全域となる295万戸で停電となったのは、地震に伴い火力発電所が緊急停止して需給バランスが保てなくなり、水力発電所を含むすべての電源が停止したのが原因。

 北電は道内需要の半数を賄う苫東厚真発電所の再稼働に向けて作業を進めていたが、1号機(35万キロワット)と2号機(60万キロワット)で蒸気漏れ、4号機(70万キロワット)でタービン付近からの出火が確認され、復旧には少なくとも1週間以上かかる見込みとなった。

 既に立ち上がっている道内の水力発電所(約30万キロワット)に加え、砂川発電所(25万キロワット)奈井江発電所(35万キロワット)、伊達発電所(70万キロワット)、知内発電所(70万キロワット)などの火力発電所をきょう7日までに順次再稼働させるほか、北本連系設備(60万キロワット)による本州側からの電力融通で290万キロワットを確保できる予定。しかし、5日のピーク需要は380万キロワットで、これらの対応を取っても十分な電力の復旧には少なくとも1週間以上かかる見通し。

 北電は「6日中には100万キロワットの電源が確保できるが、まだ供給量が足りない。地震発生前の水準に戻るには時間がかかる。ご迷惑を掛け申し訳ないが節電もお願いしたい」としている。
(有田太一郎)

本社が号外発行

避難所で室蘭民報の号外を見る市民

 室蘭民報社は6日、苫小牧民報社(横田泰正社長)の支援を受け、号外発行車「タイムズ号」で号外を制作・発行。市内8カ所の避難所に配布し、地震情報を市民に届けた=写真。(号外はこちらから

 避難所を開設した白鳥台の白蘭小学校では、室蘭民報の号外が配られ、手に取った白鳥台の阿部文子さん(72)は「ラジオでしか情報が得られなかったので、目に見える新聞が見られて助かった」と話していた。
(本社報道部)

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