GSユアサの国際宇宙ステーション用リチウム電池、来週第2回打ち上げ

 GSユアサ(本社・京都市南区、社長・村尾修氏)は6日、GSユアサの国際宇宙ステーション用リチウムイオン電池の第2回打ち上げが決定した、と発表した。

 グループ会社のジーエス・ユアサテクノロジー(GYT、本社・京都府福知山市、社長・加藤泰一郎氏)製の国際宇宙ステーション(ISS)用リチウムイオン電池は、宇宙航空研究開発機構(JAXA、本社・東京都調布市、理事長・山川宏氏)の宇宙ステーション補給機「こうのとり(HTV)」7号機に搭載され、9月11日に種子島宇宙センターから打ち上げられる予定。

 GYT製のISS用リチウムイオン電池を使用した新型バッテリーは、ニッケル水素電池を使用した旧型バッテリーに比べて半数の24個で同等の容量を賄うことができ、輸送コストの低減に貢献する。ISSの基盤となる設備に日本製の機器が採用されたのは、これが初めて。

 GYT製のリチウムイオン電池は高エネルギー密度、長寿命が特長。これまで国内・海外の多くの宇宙機やロケットに搭載されてきた。実績と信頼性、高率充放電が要求されるISSの運用に最適な設計であることが認められ、2012年にISS用バッテリーへの採用が決まった。

 ISSでは生命維持のためのシステムをはじめ、実験および観測装置などすべての機器のエネルギーが太陽光パネルで発電した電力で賄われる。ISSに一日に16回訪れる夜間には、昼間に充電されたバッテリーから電力がすべて供給される。この新型バッテリーは4回に分けてISSへ輸送されることが発表されており、今回は16年12月に続き2回目の輸送となる。輸送後は宇宙飛行士の船外活動によって新型バッテリーへの取り替えが行われる予定。

 「GYTでは特殊用途の電池や電源を開発・製造販売している。水深6500メートルの深海から、上空3万6千キロの宇宙空間まで、海・陸・空の特殊環境フィールドにおいて高性能かつ高品質な電池をお届けしている。今後も高性能リチウムイオン電池の開発・製造を通じ、宇宙開発事業へ貢献していく」(同社)。

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