【非鉄流通のいま】〈泉州電業〉豊富な在庫と即納体制強み

 泉州電業(本社・大阪府吹田市、社長・西村元秀氏)は、業界最大手の独立系電線総合商社で、東証1部上場企業。1947年に大阪市北区で「西村電気商会」として創業、会社設立は49年。拠点は国内が17カ所。連結子会社は国内6社、海外が4社(中国・台湾・タイ・フィリピン)。仕入れは国内電線メーカーの約250社で、豊富な在庫とジャストインタイムな物流体制、「オリジナル商品」、「ケーブルアッセンブリー」までの内製化が強み。電線流通業界をリードする存在で、販売先は国内3500社。従業員数は連結で700人。

 西村社長は「豊富な在庫が付加価値を生む。『泉州はあらゆる電線をすぐに届けてくれる』と顧客に言われたい。そのためには物流拠点の整備は欠かせない。この3カ年で50億円超を投じ大阪物流センター(豊中市原田中、敷地9111平方メートル)への新設移転を筆頭に、埼玉営業所・高松支店・東京西営業所の新築移転を実施する。これにより倉庫能力は現状の約3割増へと拡張する」と話す。

 18年10月期連結業績予想は売上高が前期比8・1%増の810億円、経常利益が同10・6%増の38億2千万円。5カ年中期経営計画の最終年度(21年10月期)の目標は売上高1千億円、経常利益50億円だが、その進ちょく状況は順調。オリジナル商品「アビル(ABIL)ヒーター」(土を暖める画期的なヒーター)の販売に注力する一方で、新商材(「ハズキルーペ」など)の販売にも積極的。

 海外案件ではロボット電線ケーブルの営業拠点としてベトナム進出を検討中。ベトナムではワイヤーハーネス加工も手掛ける方針。

 IоTやAIが注目される中、FA・ロボットケーブル市場は拡大している。この7月頃から東京五輪絡みで首都圏ではモノの動きが活発化しており、自動車・半導体・工作機械関連需要は当面底堅い。関西も大阪万博・IR誘致が楽しみ。

 「電線は成熟商品で価格競争が激しく、利益の確保が足元の大きな課題。物流費高騰などへの対処は、業界共通の課題であり、メーカーと協力し対応していきたい。引き続き業容拡充に努め、来年11月の設立70周年を迎えたいと思う」(同)(白木 毅俊)

会社概要

 ▽資本金=25億7500万円

 ▽本社=大阪府吹田市南金田1―4―21

 ▽社長=西村元秀氏

 ▽TEL=06―6384―1101

 ▽主な扱い商品など=各種電線電纜(機器用・通信用・FA用・電力用など)、ケーブルアッセンブリ加工など。

© 株式会社鉄鋼新聞社