【MLB】大谷、手術でもDHで開幕間に合う!? 医師が証言「打席に立てない理由ない」

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

地元紙が医師の証言を伝える「投球せずに指名打者としてプレーするだけなら…」

 新たな右肘靭帯損傷が明らかになったエンゼルス大谷翔平投手。しかし、発覚直後の5日(日本時間6日)敵地レンジャーズ戦では、「3番・DH」で2本塁打を含む4安打、1盗塁と衝撃的な活躍を見せた。手術となれば、投手としての復帰まで長期離脱を強いられることになるが、エンゼルスの元チームドクターは「打者として半年で復帰できる」と明言したという。来季開幕に間に合う可能性が高まっていると地元紙「ロサンゼルス・エンゼルス」が報じている。

「私には彼が来季打席に立てない理由が見当たらない」

 エンゼルスとドジャースでチームドクターを務めたルガ・ポデスタ医師は、同紙の取材に対してこう語っている。ドジャースでは16年間、名医フランク・ジョーブ氏とともに治療に当たった実績を持つという。靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)に踏み切った場合、マウンドに戻るのは2020年とされているが、打者としては来季復帰可能と太鼓判を押している。

「彼の回復状況や肘のリハビリの進展次第だ。もしも、彼が可動域や筋力の再構築に問題を抱えることになったり、あるいは尺骨神経に問題があるとなったら、復帰が遅れる可能性もある。しかし、投球せずに指名打者としてプレーするだけなら、彼は半年ぐらいで復帰できる」

 今季は圧巻の打撃で城島健司氏が打ち立てた日本人メジャー1年目の最多本塁打記録18本に並んだ大谷だが、打者としてはトラブルさえなければ早期復帰は可能になるという。

左打ちがプラスに、打撃で「靭帯にストレスをかけることはない」

 記事によると、トミー・ジョン手術による完治の可能性は80~90パーセントとされている。投手としての復帰プロセスは12か月から18か月で、野手は半年から1年間。そして、守備で送球の機会のない指名打者は「わずか6か月」で復帰できるという。中には、4か月半で復帰できると語っている医師もいる。

 復帰プロセスについては、術後3か月は器具を着用して靭帯保護に務め、4か月目に可動域を取り戻すために肘のストレッチや強化をスタートさせるとレポートしている。

 さらに、特集では大谷が今月手術に踏み切った場合のシナリオを予想。もしも、すぐに手術を受ければ、オオタニは来年3月にリハビリの6か月というポイントを迎える。スプリングトレーニングで2019年シーズンに指名打者としての準備を進めることができることになる。打者として活動が投手としてのリハビリに悪影響をもたらすこともないという。

「彼は左打ちなので、スイングで引っ張るのは左腕。肘を曲げること以外に、靭帯にストレスをかけることはない。内角のボールに対応する際には、少し早く(トップハンドの)肘を曲げなければいけないので、少し肘に負荷がかかることもある。しかし、彼の利き手とは逆の手なので、右肘にはひねりがあまりかからない」

「右投げ、左打ち」という大谷のスタイルが打者としての早期復帰に理想的な状況だと、ポデスタ医師は記事の中で明言。そして「死球を受ければ何かしら起こりうる。骨折などがそうだ。靭帯へのダメージはどうかって? それはあまり考えられない」とも語っている。

 ベーブ・ルース以来、メジャー100年ぶりの二刀流の道を歩む大谷だが、豪快無比なホームランやダイヤモンドを疾走するスピードも最高の魅力。肘にメスを入れたとしても、来季打者・大谷のバッティングを堪能できる可能性は高い。(Full-Count編集部)

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