長年不正見抜けず JA壱岐市に長崎県が業務改善命令

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 JA壱岐市(川崎裕司組合長)が大口貯金者の求めに応じ、不合理な金利優遇を続け、不適切と知りながら複数の借名口座開設の手続きを取っていたなどとして長崎県は7日、同JAに業務改善命令を出した。長崎県内の農協に業務改善命令を出すのは12年ぶり2回目。

 長崎県農林部によると、大口貯金者1人に対し、2001年9月~2017年12月、組合長ら幹部が注意義務を果たさず、合理的な検証をしないまま金利優遇を続け、利率は最大1・7%に高まった。2010年度からは金利が資金運用利回りを超える「逆ざや」状態だったという。

 2017年度時点では、この大口貯金者の家族や知人の名義で借名口座が11人分計16口座開設されている状態となっていた。遅くとも2006年度から複数の借名口座があり、複数の同JA職員は不適切と知りながら、その口座の対応を引き継いできた。長崎県は、大口貯金者が、金融機関が破綻した場合に元本保証が1千万円までに制限されるペイオフの対策として借名口座に貯金を小分けしたとみている。

 長崎県と農林水産省が昨年度に合同検査し不正が発覚。同JAは検査当初、金利優遇や借名口座開設について説明しなかった。長崎県農林部は「自浄能力がない」とみて同命令に踏み切った。

 一方、長崎県単独での各JAに対する検査も毎年しているが長年不正を見抜けず、長崎県農林部は「検査は十分できていなかった」としている。