長崎県内観光状況 世界遺産「一定の波及効果」

受け入れ態勢の拡充提言 日銀長崎支店分析

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 日銀長崎支店は7日、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録を受けた長崎県内観光状況を発表した。大雨や猛暑で長崎県全体の人出が前年割れする中で、構成資産の来場者数は増加し「一定の波及効果がみられる」と分析。離島は貸し切りバスや宿泊施設の不足で、高まる需要を取り込めていないとして、受け入れ態勢の拡充を提言した。

 登録決定は6月30日。日銀長崎支店によると、7月の長崎県内主要観光施設入場者数は西日本豪雨や台風、記録的な猛暑の影響で前年比15・5%減、長崎県内主要ホテル・旅館宿泊者数は同4・9%減。そうした中で、もともと観光客が多い大浦天主堂(長崎市)を除いた長崎県内構成資産の7~8月来場者数は約3万8千人と前年の2・2倍となった。

 日銀長崎支店は約30企業・団体に聞き取り調査した。パック旅行商品の予約が定員を上回ったり、旅客輸送量や宿泊客数、飲食や土産物の売り上げが増加したりと恩恵を受けた例が目立った。構成資産だけでなく周辺施設でも来場者数が伸び、キリスト教徒の多い韓国やフィリピンからのインバウンド客も増えた。

 ただ、五島列島などでは貸し切りバスや宿泊施設の不足により、旅行代理店が商品の追加や定員の拡大ができずに需要を取りこぼす事例も散見された。長崎市外海地区は公共交通機関のアクセスが悪く、訪問を断念する観光客が多いという。

 平家達史支店長は「構成資産は祈りの場でもあり、“観(み)る場所”と“泊・食の場所”の役割分担を意識した上で『面』としての受け入れ態勢拡充を期待したい」と強調。宿泊や輸送の能力拡大、アクセス整備、客の目線に立ったサービスの拡充を課題に挙げた。