【北海道地震】新日鉄住金室蘭、高炉の送風再開 電炉2社、操業休止続く

 6日未明に起きた北海道胆振地方を震源とする最大震度7の地震の影響で操業を休止した道内の鉄鋼メーカーは7日も復旧に向けた作業を急いだ。新日鉄住金の室蘭製鉄所(室蘭市)は7日午前、地震直後から休風していた高炉など一部の生産設備で操業を再開した。一方、日本製鋼所の室蘭製作所(同)や三菱製鋼室蘭特殊鋼(同)、普通鋼電炉2社は7日午後4時時点で停電の影響により操業を再開できていない。大半の鋼材流通各社も7日は従業員を自宅待機とした。

 新日鉄住金の室蘭製鉄所は地震発生後に休風した第2高炉(炉容積2902立方メートル)の送風を7日午前5時ごろに再開。一方、7日午後3時時点では依然として製鉄所の電力不足が解消されておらず、棒鋼ミル、線材ミルは操業再開に至っていない。

 普通鋼電炉メーカーのJFE条鋼豊平製造所(札幌市)、清水鋼鉄苫小牧製鋼所(苫小牧市)の2社は停電のため7日も操業を休止し、従業員は自宅待機とした。両社とも通電を待ち、まずは設備の点検から始めるとしている。

 停電によりJFE条鋼・豊平の製鋼は電気炉内で溶鋼が固まっている状態とみられる。清水鋼鉄・苫小牧は製鋼が出鋼直後で、取鍋で湯が固まった状態。圧延は材料がラインに入ったままとされる。7日には清水孝社長が現地入りした。

 道内の鋼材在庫特約店各社では大きな設備被害はなかったとみられるが、倉庫内に在庫していたコイルが散乱したり、建屋入り口のシャッターが一部破損するなどの被害が出ている。停電の影響もあり、多くの企業が7日も従業員を自宅待機とした。営業再開はきょう10日以降となる見通し。

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