「裁判は万能ではない」 カネミ油症 新認定訴訟の担当弁護士 五島で連続講座 

除斥期間問題など巡り

 カネミ油症事件を学ぶ連続講座が8日、五島市内であり、加害企業を訴えた裁判の被害者側弁護士、古坂良文氏(49)=五島ひだまり法律事務所=が講師を務めた。これまで複数の集団訴訟が展開されてきたが、いずれも本格的な救済に結び付いていない。古坂氏は「裁判は万能ではない」とする一方、一連の訴訟が被害者同士や支援者の結び付きを強め、救済運動の流れをつくった意義も強調した。
 古坂氏は、診断基準が改定された2004年以降などに認定された市内患者らがカネミ倉庫(北九州市)に賠償を求めた「新認定訴訟」を担当。長期化を避けるため、国や原因物質ポリ塩化ビフェニールを製造したカネカ(旧鐘淵化学工業)は訴えなかった。しかし不法行為から20年間で損害賠償請求権が消滅する民法の「除斥期間」が適用され、15年に原告敗訴が確定した。
 「善良な市民が被害に遭ったのに、裁判で負けることに納得がいかない」との会場からの意見に対し、古坂氏は「指摘はもっともであり同感だが、裁判は万能ではない。除斥期間の問題など、現在の法の枠組みに当てはめて考えざるを得ず、全てをきれいに片付けることはできない」と語った。敗訴については「残念だ」とも述べた。
 1970年以降の全国統一訴訟(1~5陣)についても「問題が先送りされ、解決とは言い難い内容だった」と指摘した。
 講座はカネミ油症事件発生50年事業実行委員会が主催し、5回目。市民約20人が参加した。

カネミ油症を巡る裁判の経過や意義を語る古坂氏=五島市三尾野1丁目、市福江総合福祉保健センター

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