潜伏キリシタン世界遺産登録 小値賀で記念式典 「世界の宝 伝え守る」

 世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本の12資産)の構成資産の一つ、「野崎島の集落跡」がある北松小値賀町内で8日、登録記念式典が開かれた。約160人が出席し、全員で万歳三唱をして登録を祝った。
 町などでつくる実行委が主催。西浩三町長は「今後は町民だけでなく多くの人たちの支援を受けながら、世界の宝として子孫に伝え守りたい」とあいさつした。
 野崎島は過疎化が進んで島民が去り、現在はほぼ無人島。島の集落の写真などを提供し、調査に協力した「小値賀野崎会」の白濱久夫さん(85)=兵庫県西宮市=らに西町長が感謝状を贈った。
 元島民の白濱さんは「小さな教会があるだけの島が世界遺産に登録されて夢のようだ。先祖たちに感謝したい」と笑顔で語った。
 資産の調査を担当した文化庁の鈴木地平文化財調査官の記念講演もあった。

西町長から感謝状を受け取る白濱さん(右)=小値賀町笛吹郷、町離島開発総合センター

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