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天草エアに〝向かい風〟 国交省は地域航空5社の統合も視野

©株式会社熊本日日新聞社

天草エアラインが日本エアコミューターから借用して運航している代替機=6月、天草市

 国土交通省が天草エアライン(天草市)を含む全国の地域航空会社5社で協業を促進させる抜本的な経営改善に乗り出した。人口減少による利用客減で経営環境が厳しさを増す中、合併や持ち株会社による経営統合の“大なた”も視野に入れる。天草エアは開業19年目を迎え、大きな岐路に立っている。

 5社は天草エアのほか、北海道エアシステム、日本エアコミューター(鹿児島)、オリエンタルエアブリッジ(長崎)、ANAウイングス(東京)。いずれも離島やへき地を結ぶ地域路線を担う。

 ■補助金経営  国交省は、経営基盤の弱さや少数機材運営による高コスト構造など共通課題を挙げ、「国や自治体の補助金を前提とした経営」と厳しく指摘。2019年度政府予算の概算要求に、5社の協業効果調査費を含む5千万円を計上するなど、経営改善を促している。

 天草エアは8月中旬、大阪(伊丹)空港での管制トラブルで、男性機長と副操縦士を乗務停止にした。同社のパイロットは7人。この影響で計5日間16便を欠航するほど、人員はぎりぎりまで切り詰めている。

 同社はもともと民間航空会社が「採算が合わない」と就航を見送り、県主導の第3セクターとして設立された。2000年の開業後、所有するのは1機のみで、収支は苦戦が続く。16年度は営業努力で過去最高の8億8千万円の売上高を達成したが、1億円余りの累積赤字を抱える。07年度以降は、県と地元2市1町から毎年5千万~3億5千万円の補助金を受けており、単独での赤字体質脱却は容易ではない。

 こうした現状を受け、国交省有識者会議は3月、同社を含む地域航空会社5社に、パイロットらの人員や機材の統一、運航・整備の共同化などを提案。「抜本的対策として一社化(合併)か持株会社による経営統合の形態を模索すべきだ」と指摘した。提言を受けた同省は本年度、5社に日本航空とANAホールディングスを加えた実務者協議を立ち上げ、協業議論を本格始動させた。

 ■「命の翼」  再編への圧力を強める国に対し、地元には慎重論が強い。「天草エアも経営改善に取り組み、一定の成果を出しているのだが」と困惑するのは筆頭株主でもある県交通政策課。天草エアでは6月から日本航空系列の日本エアコミューターから定期検査中に代替機を借用できるようになり、懸案だった長期運休の回避が実現した。同課の担当者は「観光や医療など経営上の数字だけで測れない貢献度も大きい」と話す。

 天草エアの副社長を兼ねる中村五木天草市長も「整備やパイロット養成での連携はあっても、経営統合は考えていない」と断言。背景には「経営統合すれば赤字路線として廃止される可能性が高い」との危機感がある。

 慢性的な医師不足に悩む同市にとって、福岡便を中心に年間延べ約600人の医師を運んでいる同エアは「まさに命の翼だ」と中村市長。「今後も県や天草2市1町で協力し、独自運営を目指す」と強調する。(野方信助、嶋田昇平、中島忠道)

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