住友電工、新素材の超硬チップ開発

 住友電工はねずみ鋳鉄の超高速切削加工の効率を高められる新素材の超硬チップ「NCB100」を開発し、今月から販売すると発表した。新素材は直径500ナノメートル以下の立方晶窒化ホウ素焼結体(CBN)の超微粒子を焼結形成したもの。チタン合金やコバルトクロム合金など難削材の高速仕上げ加工でも強みを発揮する。

 自動車産業でのねずみ鋳鉄や、航空機・医療産業でのチタン合金・コバルトクロム合金などの切削加工では、高精度化や生産性・安定性の向上に貢献する工具が求められており、同社では市場のニーズに対応して新製品を開発した。

 独自の超々高圧焼結技術でCBN粒子のみを強固に直接結合させた焼結体を刃先に適用。従来のCBN材種を大幅に上回る硬度や熱伝導率により、優れた切削性能を実現している。初年度の売上高は5千万円、3年後は10億円が目標。

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