浪速のカリスマ添乗員 雲仙ふるさと大使に

 雲仙市の観光PRなどを担う「雲仙ふるさと大使」に、日本旅行の「おもしろ旅企画ヒラタ屋」代表の平田進也さん(61)が就任。「浪速のカリスマ添乗員」の異名を持つ平田さんは、“手土産代わり”に、高級ツアーに地元農家との交流を盛り込んだ新たな旅行商品を企画し、5、6の両日、約30人の旅行客とともに島原半島を訪れた。
 平田さんは奈良県出身で日本旅行入社後、個性的な旅行商品を次々と企画。客を楽しませることに徹底した同行ツアーは人気を集め2009年、社内に「ヒラタ屋」を新設。現在も年間150日近くツアーに同行する。2年前、観光セミナーの講師として雲仙市を訪れていた。
 同市などの要請を受けて今回、一人1泊2日で約8万円の半島巡りツアーに、地元農家の手作り料理を味わう行程を盛り込んだプランを企画。5日、一行が宿泊する雲仙温泉街の旅館で、ふるさと大使の就任式があり、金澤秀三郎市長が委嘱状を手渡した。
 6日、南島原市の原城跡などを観光した一行は、加津佐六反田ふれあいセンターで昼食。地元農家の女性ら約10人が腕によりを掛けた煮物や天ぷら、団子汁などでもてなされた。大阪府から夫婦で参加した梅田和男さん(81)は「旅館の食事もいいけど、こういうのも素朴でいい」。住民らとの会話も弾み、全員で「うまかー」と声をそろえて交流を楽しんだ。
 平田さんは「温泉や民泊、城下町など半島にはそれぞれの魅力に加え、人柄の良さもあり武器になる。旅行客は地元ならではの体験を求めていることを提案していきたい」と抱負を述べた。

地元農家(右から3人目)と会話を楽しみながら食事するツアー客=南島原市、加津佐六反田ふれあいセンター
「雲仙ふるさと大使」就任式後、ツアー客に大使の名刺を配る平田さん=雲仙市、雲仙宮崎旅館

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