母国で復活の兆しを見せる“ブラジルの至宝” ガビゴルはインテル移籍を「後悔していない」

インテルで思うような出場機会を得られず、ベンチを温める苦しい日々が続いたカビゴル photo/Getty Images

かつて「ネイマール2世」とも呼ばれたカビゴルこと元ブラジル代表FWガブリエウ・バルボサが、苦しい時期を過ごした2年前を振り返った。

2016年夏にリオ・オリンピックで母国に初の金メダルをもたらし、満を持して欧州挑戦を決断したガビゴル。多くのビッグクラブがこのブラジルの至宝にラブコールを送る中、彼が新天地に選んだのはセリエAのインテルだ。低迷に苦しむ名門の復権をその足に託されたが、ファンの期待とは裏腹になかなかイタリアに馴染むことができず、欧州挑戦1年目は公式戦10試合に出場してわずか1ゴールを挙げたのみだった。

そのためガビゴルは昨夏、ベンフィカへの1年間のレンタル移籍を決断。しかし、ポルトガルでもなかなか出場機会を得られず、半年間で同クラブとのレンタル契約を解除し、今年1月に古巣であるサントスへ改めてレンタル移籍することが発表された。母国へ復帰すると、序盤戦こそなかなかゴールを挙げることができなかったが、ここまでリーグ戦23試合に出場して12ゴールを記録。今月2日に行われたバスコ・ダ・ガマ戦ではハットトリックを記録するなど、ここ6試合は計7ゴールを挙げる大活躍を見せ、復活の兆しを見せている。

そんなガビゴルが母国メディア『tribuna』のインタビューでインテル時代を回想した。「僕は本当にイタリアのファンが好きだし、チームメイトもいつだって親切にしてくれた。今もSNSでは、ファンの質問に答え続けてるよ」と現在も良好な関係が続いていることを明かしつつ「なんで上手くいかなかったのかを口にするのは難しいね。多分だけど、あの時はチームが必要としていたことと、僕がもたらすことができるものに相違があったんじゃないかな」と述べた。

さらに、当時冷遇され、確執なども噂されたフランク・デ・ブール監督については「僕は彼に対して、本当に敬意を払っているんだ。彼はいつだって僕に親切にしてくれたよ。(僕への批判は)彼がストレスを発散したかったんじゃないかな。それか、彼のメッセージがここブラジルへは、ねじ曲がって伝わってしまったのかもしれないね。もし彼がそんなこと(僕がトレーニングで手を抜いていた)を言っているのであれば、僕はさらに良くなれるんだとポジティブに捉えるよ」と話している。

そして将来については「まだしばらくサントスにいるので、ここに集中して最善を尽くす。その件については年末に考えるつもりだよ。ただ、インテルへ行ったことは後悔していない。サッカーではこういうことが起こるものだ。あれが最初で最後のチャンスではないからね。まだインテルとの契約が残っているし、今後何が起こるか見てみるつもりさ」と語った。

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