【きらり女性・信越地区の鉄鋼関連企業】〈コマスヤアルテック・営業本部建材営業部 韮澤ひとみ氏、恩田有紗氏〉事務職から営業職へ 仕事、実直な姿勢で

 コマスヤアルテック(本社・長岡市、社長・今井正仁氏)で初の女性営業となる韮澤ひとみ氏と恩田有紗氏。2人ともこれまでは事務職だったが、産休明け後に営業職として復帰した。

 2人とも産休前に営業への転換を持ちかけられた。韮澤氏は「無理せずできる部分で貢献するようにと家族から言われた」。恩田氏は「挑戦だけはしてみようと思った」と振り返る。

 同行営業中に先輩から助言を受けた。韮澤氏は「備品など細かいものに女性らしい気付きがある」。恩田氏は「最初は取引先から心配そうな反応もあったが、同行した上司に励まされ慣れるしかないと気持ちを切り替えた」と語る。

 営業を任された地域は上司が10、15年と長く、信頼関係があったため、先輩たちと自分達を比べてしまった時もあった。

 半年たち、直接お客様から携帯電話で問い合わせがくることも。「会って話すことが楽しい。現場の段取りまで提案できていないが、その職人さんの人柄が見えてくるとやりがいが感じられる」(恩田氏)。

 「希望通りの期日で納品でき感謝の言葉をいただいた時は嬉しい」(韮澤氏)。

 2人ともこだわりを持って向き合う。韮澤氏は「新入社員のつもりで初心に戻って行動する。約束事、営業ルートを一つひとつ記録し、お客様が何を求めているか理解し、何かあればすぐ上司に相談。ミスした時も落ち込まず、前向きに仕事に取り組む」。

 「営業職はお客様とメーカーの間に立つ仕事。正確に伝えようと責任感が強くなった」(恩田氏)。

 産休前にすでにスムースに仕事が回るように仕事を分担していた。

 ワークライフバランスの点ではお互い、良いパートナー、家族に恵まれる。「決まった時間内に効率よくやり残しなく一日を終えるよう配慮。休日は思い切りリフレッシュし、週明け仕事モードに切り替わる」(韮澤氏)。

 恩田氏は「家族に全面的に協力いただいて心配ない。夫は子供の送迎を担ってくれており、気にせず働ける」という。

コマスヤアルテック・韮澤氏(左)、恩田氏

上司から

 ▽佐藤剛営業部長「最初はお客様にも女性営業に対する戸惑いがあった。良いことも、苦労する場面もあるだろうが、自分らしい形の営業を目指して頑張ってほしい。全力でフォローしようと思う。こちらが気付かない視点が心強い」

 ▽前山洋一営業本部長「現場に近い営業。家庭優先で定時の中で精いっぱい取り組んでいただき、こちらが心配するぐらい熱心だ。ミスに対するフォローも信頼関係を強めるきっかけにもなる」

今後の抱負

 ▽恩田氏「女性目線で自分ならではの提案力、気遣いを身に付けていきたい」

 ▽韮澤氏「少しでも上司のように信頼関係を構築できる営業になりたい」

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