コベルコマテリアル銅管、品質管理体制を強化 データ記録自動化・組織改正など

 銅管国内最大手のコベルコマテリアル銅管(本社・東京都新宿区、社長・角田秀夫氏)は品質管理体制の強化に注力している。主力生産拠点の秦野工場(神奈川県秦野市)に加えて、タイとマレーシアにある海外子会社で試験データの取り込みを自動化するシステム投資を実施。さらに品質管理部門の独立性を高める組織改正も実施した。

 同社では2017年に試験データの書き換えなど品質管理に関する不適切行為があり、今回のシステム投資は再発防止策の一環。これまでは引張強さなどの試験結果を手作業で入力していたが、人手を排した形でデータを取り込み記録するシステムを導入し、運用を開始している。

 現在、データ自動取り込みの難しい一部の感応試験については、上位職によるチェックおよび試験片の保管を行い試験データの健全性を担保しているが、今後はシステム改善によるデータベースの構築やさらなる自動化改善を進める。

 同社では組織面でも品質管理体制の強化に注力。今年3月に秦野工場の品質保証部門を技術部の傘下から工場長直轄の組織に変更して独立性を高めている。角田社長は「より強固な品質管理体制を永続的な形で構築したい」と話している。

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