JLOC 2018鈴鹿10時間 レースレポート

公式予選

日付:2018年8月25日(土)
天候:晴
予選結果:87号車 28位、88号車 15位

新レースフォーマットを理解しつつの予選日。明日への挽回を誓う

 鈴鹿1000kmから、インターコンチネンタルGTチャレンジの第3戦として、鈴鹿10時間耐久レースGT世界戦となった今夏。2017年のダブル表彰台再現を胸にサーキットへ。

 練習走行日は台風の影響で走行が限られたりもしたなかで、予選日は晴天に恵まれ観戦に来て下さっているファンの方々にも良いコンディションとなった。

 予選フォーマットもスーパーGTとは異なり、3名のドライバータイム合算がQ1、その後上位20台がQ2(ポールシュートアウト)で競い合う形式に。

 88号車はQ1を突破し、Q2で15位となり。87号車は元嶋選手が3番手のタイムを記録するも総合順位では28番手で予選を終えた。

■87号車 エンジニア Seiji Hirai コメント
「3名のタイムで順位が決定される予選。元嶋選手が2分03秒2、高橋選手が2分04秒3、飯田選手が2分08秒2を合算、予選28番手で終了した。満足のいく順位ではないが、中古タイヤで頑張ってくれた飯田選手のおかげで、決勝レースでの戦略の幅が広がったので、長いレースを上手くまとめて上位進出を目指したい」

■87号車 Yuya Motojima コメント
「フリープラクティスからいつもと違うタイヤに苦労して、ニュータイヤでも上位に少し差をつけられていたが、予選では、エンジニアの平井さんのおかげですごく乗りやすいマシンに仕上がっていた。予選ではベストラップの時にクリアラップを取れなかったので、結果に期待はしていなかったが、ドライバー1の中で3位という結果に驚いた」

■87号車 Tsubasa Takahashi コメント
「気持ちだけが先走ってしまった予選アタックだった。前日のうちからタイヤの特性をもっと理解する必要があったと思う。決勝は長いので焦らず順位を上げていきたいと思う」

■87号車 Iida Taiyo コメント
「決勝レースを見据え、中古タイヤでのアタックとなった。しかし、気温も路面温度も高くなり、タイヤのパフォーマンスが思った以上に悪く、タイムが伸びなかった」

88号車ランボルギーニ・ウラカンGT3

■88号車 エンジニア Masafumi Katsumata コメント
「予選は平峰選手、マルコ選手、アンドレア選手の順にアタックしたが、シフトトラブルの為、思うようなアタックができず、下位に沈んだ。ポールシュートアウトはアンドレア選手が担当、2分02秒886で15位」

■88号車 Andrea Caldarelli コメント
「予選は我々に難しい物となり、ポールシュート予選で15位となる。9位までが接戦のタイムだったが、最大限の努力をした。自身にとっては全開でプッシュできて満足のいく1周となった」

■88号車 Kazuki Hiramine コメント
「3人のドライバー予選の中で、1番目を担当。クルマ的には問題なかったが、ピットアウトした場所が悪く、他車が多い場所の一番後ろに出てしまった。何とかスペースを見つけようと、頑張ったけど最終コーナーで思いっきり引っかかってしまった。悔しい結果だが、これもレース。ポールシュートアウトではアンドレア選手がアタックで15番手。決勝の追い上げが必要となった」

■88号車 Marco Mapelli コメント
「前方の競合達が速かったにも関わらず、10位以内で予選を終えることができた。強いオーバーステアに悩まされていたので、ドライバー3人目の予選に向けてセットを変更した」

決勝レース

日付:2018年8月26日(日)
天候:晴れ
決勝結果:87号車 17位(PAクラス3位)、88号車 15位

87号車がPAクラス3位と昨年に続き表彰台を獲得

 晴天の決勝日。ピレリタイヤへの理解が日頃利用しているヨーロッパ勢に対してハンデとなるなかでもセットアップや戦略を詰めて行った。

 決勝はスムーズにスタート、セーフティカーなども10時間で1回だけの出動などクリーンなレースが続く展開に。

 88号車は途中接触による不運なパンクなどに見舞われるも戦略をアジャストし15位にて完走。

 87号車はプロ・アマチュアの組み合わせで総合17位までポジションを上げ、クラス順位では3位と昨年に続く結果に。プロ・プロ、プロ・アマすべての表彰台で唯一の日本人チームとなった。

■87号車 エンジニア Seiji Hirai コメント
「フリー走行では走行時間の少ない飯田選手を中心に決勝セットの確認を行う。
飯田選手でスタート、乗車時間の少ないなか、堅実な走行で大事なスティントを終えピットイン。その後ペースが良いトリプルスティントでポジションアップを狙う」

「途中タイミング悪くFCY・SCなども出てかなりのロスが出たが、元嶋選手・高橋選手と良いベースで頑張ってくれてクラス3位が見えてくる展開に」

「終盤高橋選手がダブルスティントを担当、ピットイン時のホイールガン破損や前後を見ての単独走行指示など難しい部分もまとめ20時04分にクラス3位でチェッカー。表彰台をゲットする」

「今回の3位はドライバー・メカニックはもちろん、すべてのスタッフが自分の仕事をミスなくこなしてくれたおかげだと思う。マシンも一貫して速さがあり良いペースで走ることができていたが、トップグループに追いつくためには更に速いペースが必要で、結果には満足できるが課題も見えたレースだった」

プロ・アマクラスの3位表彰台を獲得した87号車ランボルギーニ・ウラカンGT3

■87号車 Yuya Motojima コメント
「決勝では今回アドバイザーとして来ている佐藤選手に、タイヤの使い方の的確なアドバイスをいただき、決勝ではロングをうまく走れたと思う。高木さんの戦略も完璧でクラス3位を獲得できた」

「海外のチームと走ることは、勉強させられることがとてもあったので、またこのようなレースに参戦したい。今回貴重な経験をさせてくださったJLOCに感謝しています」

■87号車 Tsubasa Takahash コメント
「予選では悔しい結果となってしまったので、決勝では絶対に挽回するという強い気持ちでレースに臨んだ」

「レースペースは他車と比べても良かったと思う。こと自信も周回数を重ねていくうちに、車やタイヤの理解もより深まりペースを上げて行くことができた。そして結果的にチームの団結力のお陰でクラス3位まで追い上げることができたので、本当にうれしく思う」

■87号車 Iida Taiyo コメント
「決勝では、スタートを担当しました。気温、路面温度が予選日同様、上がっていたので、タイヤの摩耗との勝負だと思い、自分のペースで次につなげることを心がけ、戦略的に重要なポイントをミスなく担当することができた」

■88号車 エンジニア Masafumi Katsumata コメント
「スタートドライバーは平峰選手、順調にレースを進めていった。マルコ選手、アンドレア選手と繋いで行ったが、85Lap目に他車と接触、タイヤを壊してしまい、緊急ピットイン。タイヤだけ交換して復帰したが大きく順位を落としてしまった。その後ペースが上がらないものの、あきらめずに走行を続け、総合15位で完走」

■88号車 Andrea Caldarelli コメント
「不運なことに、途中パンクがあり40秒をロス。もともとのペースも十分ではなくタフなレースとなり上位に上がることが難しいレースとなった。チームJLOCとランボルギーニスクーデリアコルセの皆の努力にとても感謝している」

■88号車 Kazuki Hiramine コメント
「僕がスタートを担当。最近、かなりスタートが好きで特にバトルする瞬間がたまらない。いくつかポジションも上げて、チームメイトへとバトンをつないで行った」

「途中で自分もダブルスティントを担当して、ペースを保っていたのだが、そもそものベースがトップに比べて遅すぎた。ドライバー全員ベストを尽くしたが、厳しい状況。結果的には、15位でフィニッシュし10時間を無事完走することができた」

「非常にタフなレースだったが、最後まで全員が戦いぬいたと思うし、皆さんの応援のお蔭で走りきることができました。感謝です! 今大会で大きな経験を積んだし、また彼らにリベンジできるようこれからもベストを尽くしていきます。沢山の応援をありがとう御座いました」

■88号車 Marco Mapelli コメント
「タイヤとのマッチングや今年経験したことのない問題に直面し、とてもタフなレースとなった。また、アンドレア選手走行の際にタイヤトラブルやFCYがタイミング悪く出てしまうなど不運もあった」

「夕方、日がおちて気温が下がって来ると調子が良くなってきたが、トップ5を狙っていたので、戦うことができなかったがとても残念だ。来年リベンジしたい」

ピット内から戦況を見つめるJLOCのチームクルー

■監督コメント
「昨年、鈴鹿1000キロの最終戦の良いイメージを自信に第1回の10時間レース! 実は、私とランボルギーニにとって鈴鹿はすごく因縁があり、グレートサーキットなのです。思えばランボルギーニで2000年世界選手権鈴鹿1000キロレースで3位表彰台に上がり、私はル・マン24時間レースに絶対参戦する決意をしました」

「また、2006年のFIA世界選手権にてランボルギーニ・ムルシエラゴで世界初の優勝を飾りました。さらにF1では1990年、ランボルギーニエンジンが3位表彰台に上がりました! これらが達成された場所はすべて鈴鹿サーキットなのです!」

「今回も、何と不思議なことに昨年のレース時のピット検査員の方が同一人物で、私が担当すると絶対ランボルギーニは表彰台ですよ! 不思議なものです!! 今回のレース、とても良いことと残念なこと改めて勉強になりました!」

「プロ・アマの87号車は飯田選手、元嶋選手、高橋選手、全員がよく頑張ってくれました! セット、戦略、良かったと思います。3位表彰台おめでとうそしてありがとう!」

「一方、プロの88号車は厳しいレースになりました。予選もベストラップでありながら遅いクルマやシフトトラブルなど、運がなかった! 平峰選手、マペッリ選手、カルダレッリ選手が87号車に乗車したとすると表彰台は固かったと思います!」

「ドライバー、メカニック、サポートメンバー、お疲れ様でした! GTに向け頑張ろう!!」

「最後にエヴァンゲリオン様の社長さん、スタッフのみなさま、暑いなかお疲れ様でした。そしてありがとう御座いました。ランボルギーニ社、そして5名の方々遠いところ駆け付けてご指導頂き心から感謝申し上げます!」

「最後に何時もJLOCを応援して頂いている方々、本当に応援ありがとう御座いました! おかげさまで日本人チーム唯一の表彰台を獲得しました!!」

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