【性的少数者】パートナーシップ制度「早期導入検討」 横須賀市の推進会議

 性的少数者のカップルをパートナーとして公的に認める「パートナーシップ制度」の導入に向けた審議が11日、神奈川県横須賀市で本格的に始まった。市長の諮問機関である「市人権施策推進会議」の会合が市役所で開かれた。委員から導入に反対する意見は出ず、「速やかに導入する方向で検討する」との認識で一致した。

 推進会議は、弁護士や公募の市民ら10人で構成される。同制度に関して本格的に審議するのは初めてという。

 会合には、市内の当事者団体「よこすかにじいろかれー」のメンバー3人が招かれた。メンバーは「行政が『性的少数者を認識している』と示すことが大切」「法的拘束力の有無に関係なく、2人の関係を証明できるものが欲しい」など、制度の持つ意義や重要性を説明した。

 委員から「既に導入されている他自治体の制度に問題はあるか」と問われ、メンバーは「対象を同性間に限定せず、誰もが使える制度にすべき」と回答。導入に際して市が課題として挙げる個人情報の管理についての考えを聞かれ、メンバーは来庁者に知られたくない当事者もいることを念頭に「証明書を出す際に、見られないよう個室を用意するか尋ねるなど、当事者の希望を聞いてほしい」との意見を述べた。

 その後、委員が導入方式について意見を交わした。東京都渋谷区のように条例に基づく方式と自治体の事務手続きを定めた要綱による方式とで議論し、委員からは「スピードを重視して要綱でスタートするのが良い」など、要綱による方式に賛同する意見が多く出た。

 一方、市では、担当職員が「既に制度がある市町村へ引っ越そうとは思わなかったのか」と当事者団体に対して不適切な発言をしたことが明らかになった。会合の冒頭、市幹部は「今後、職員の人権意識の高揚に努め、市民に寄り添った取り組みをしたい」と述べて頭を下げた。

 次回の会合は11月12日に開かれる予定。

横須賀市役所

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