バルセロナのカンテラ(下部組織)が輩出した世界最高の才能はリオネル・メッシで間違いないだろうが、まだメッシが10代だった頃にはメッシ以上とも言える評価を得ていた選手がいたのだ。メッシと同じ31歳のMFビクトル・バスケスだ。
U-15のチームではセスク・ファブレガス、ジェラール・ピケ、メッシとチームメイトだった選手で、将来が期待されていたタレントの1人だった。残念ながらトッププレイヤーになったメッシに対してバスケスは地味なキャリアを過ごしており、今回英『GIVE ME SPORT』がバスケスの今を取り上げている。
バスケスはバルセロナのトップチームでもプレイした経験を持つが、ポジションを掴むには至らなかった。ただし当時はメッシと張り合う存在で、元チームメイトのセスクもバスケスをこのように評している。
「メッシとバスケスは僕たちのチームにおいて圧倒的にベストプレイヤーだったのを覚えている。時折彼らは戦いをしていた。一方が1試合で4ゴールを決めれば、もう一方は5ゴールといったようにだ」
バスケス自身も、「メッシよりもみんな僕のことを話していた」と振り返っていたことがあり、その才能は天下一品だったのだ。しかし怪我もあり、2011年にはベルギーのクラブ・ブルージュに移籍。そこでの4年間ではベルギーリーグ年間最優秀選手に輝いた実績を持つ。
その後はメキシコのクルス・アスルでプレイし、現在はMLSのトロントFCでプレイしている。少年時に高い評価を受けながらも、トップチームでは思うような結果を残せなかった事例は数多くある。気付けばバスケスとメッシの間には埋められないほど大きな差がつくこととなってしまった。