昨年度イノシシとシカ捕獲数 過去最多の4644頭

 定例長崎市議会は11日、一般質問を続行、5人が登壇した。高山雄彦水産農林部長が昨年度、農作物などを食い荒らすイノシシとシカの捕獲数が過去最多の4644頭だったことを明らかにした。有害鳥獣対策として、本年度も防護柵のワイヤメッシュ柵を設置する方針を示した。
 野口達也議員(市民ク)の質問に答えた。
 市によると、イノシシやシカの捕獲数は2015年度までは約2500頭だったのが、16年度は約4100頭と急増。今年7月末時点では、昨年同期と比べ1・4倍の1557頭が捕獲されている。
 一方、イノシシが市街地に出没したり、家庭菜園を荒らしたりする生活環境被害を含む相談件数と農業被害額はともに減少。16年度は1005件約4858万円、17年度は696件約4146万円だった。高山部長は、被害が減少していることに対し、市が少なくとも08年度から実施しているワイヤメッシュ柵設置などの対策によって「着実に効果が表れている。関係機関と連携しながら被害軽減に努めたい」と述べた。
 柵は17年度までの7年間で651キロが整備済み。対策事業として本年度一般会計当初予算で約7400万円。さらに一般会計補正予算案に約674万円追加する費用を上程している。

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