耐震不足の熊本市役所、建て替え方針 大規模改修見送り

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 熊本市は11日、耐震不足が指摘された市役所本庁舎について大規模改修を見送り、移転新築を含めた建て替えに絞る方針を明らかにした。財源には、合併した自治体が利用できる地方債を活用する。同日開かれた市議会公共施設マネジメント調査特別委員会で説明した。

 市は耐震診断を有識者4人が分析した結果を報告。杭[くい]を増やして耐震補強する方法以外に、油の粘性を利用して杭を補強するオイルダンパーや上層階を減築する方法を検討したが、技術や費用の面からいずれも困難との結論に至ったという。古庄修治政策局長は「改修が難しい以上、建て替えに方針を絞りたい」と説明した。

 事業費は現地建て替えで410億円、移転新築で340億円。財源に活用する合併推進債は事業費の9割を借金で調達でき、借金の4割を国が支援する。このため市の負担は現地建て替えで67億円、移転新築で88億円軽くなるという。

 合併自治体の基本政策を定める新市基本計画は本年度で終了するため、市は合併推進債が使えるよう2024年度まで延長したい考えも示した。委員からは「熊本地震で庁舎の構造体に損傷はなかった」「建て替え以外の方法をもっと議論すべきだ」といった慎重論も相次いだ。(高橋俊啓)

(2018年9月12日付 熊本日日新聞朝刊掲載)