韓流アイドルを見るといつも思う。尋常ならざるこの精度の高め方はなんだろう、と。未知の世界から来た新たなスター、とのコンセプトで結成されたEXO。彼ら4度目となるワールドツアーのなかから、さいたまスーパーアリーナ(スタジアムモード)の模様を完全収録した本作。闇の中光る、無数のペンライトの波に応えるように、キリリと強い眼差しを送るメンバーたちの姿がまぶしい。
オープニングの語りから何度も、ドラマ仕立ての映像を挟んでいく展開。ときにはミュージカルのように演技をはさみながら、展開されるステージ。ちょっと、宝塚歌劇団を思わせるような、歌あり、踊りあり、演劇ありの欲張りな構成だ。
こういう作り込んだパフォーマンスの場合、アンコール以降はどうなるのかな?と先が読めなかったけれど、蓋を開けてみれば「素顔をみせる」というもう一つのパフォーマンスが待っていた。我を忘れ、時間を忘れ、非日常へと誘う装置。これぞプロのアイドルだ。
(avex trax・4500円+税)=玉木美企子