【平成の長崎】マイ商店街・佐世保駅前地下商店街 平成5(1993)年

 昭和32年、佐世保駅前の道路拡幅に伴い佐世保市が建設した地下道(長さ約70㍍)に、27店舗が入居してスタートした。国鉄、JRと盛衰をともにして1993年に36年目を迎えた。地下商店街としての歴史は九州で最も古く、県内唯一(当時)。
 当初は果物店、薬局なども入っていたが、やがて土産物店主体の〝駅前型〟へ。かつては利用客が構内から地下街を通って反対側の地下まで並んだ。「列車が交通の中心だったころ。座席を確保するため、わざわざ武雄から始発地の佐世保まで来る人がいたくらい」と佐世保駅前地下商店街協同組合の増田靖理事長は述懐。50年初めまではにぎわいが続いた。
 しかし交通手段の多様化が進むにつれて、駅とともに客足が減少。現在の売り上げは「横ばいか緩やかな下降線」という。「地上から見えない限られたスペースの中でやっているので、外からの刺激を受けにくい」と同理事長。
 それを反省材料に92年4月、JRや周辺商店街と共同で「させぼ駅前まつり」を実施。第1回は1万7000人、93年の第2回は2万人が来場。「何でもっと早くやらかったのか…。一般の人が駅前地下街を見直すきっかけになったと思う」
 駅周辺は再開発が計画中。大きく変わろうとしている。「四ケ町からの人の流れを引き込み、にぎやかな街をつくりたい。そのためには行政がリーダーシップを取って」と要望する。(平成5年4月26日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

約70㍍の地下道の両側に19店舗が並ぶ商店街地下道

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