台風21号、薄・厚板流通業界にも影響

さらに需給ひっ迫も、各工場で繁忙感強まる

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 台風21号は、薄板や厚板流通業界にも影響を及ぼしている。関西地区コイルセンター(CC)や溶断業者などは現時点で、そのほとんどがすでに操業を再開。台風通過の翌日から操業を始めたところも多いが、停電のため再稼働までに数日間を要した事業所もある。「残業や休日出勤を増やすなどし、受注残を解消したい」(関係者)との声が聞かれ、CCなど各事業所の繁忙感はこれから強まることになりそうだ。「足元の引き合いは台風通過後からも変わりがない」(同)ようだが、一部CCなどでは「賃加工の依頼が増えている」との声も聞かれる。

 また、高潮による浸水で輸入材などの一部鋼材には被害も出ている。特に厚板は台風通過以前からタイト感が強まっていただけに、「さらにひっ迫感が高まる可能性もある」という。また、厚板については溶断価格でトン当たり10万円に到達するなど、これまでも上伸基調が続いていたが、需給タイト感がさらに強まれば、拍車が掛かる可能性もある。ただ、最終的にまだ需給バランスがどうなるかは予想しづらく、タイト感が強まるか、需給が緩和していくかはまだ不透明なところもある。

 かなりの事業所でシャッターに被害が発生しているが、ガスで切断するなどして、入出荷できるよう対応している。壁や屋根に空いた穴にはブルーシートの類で応急処理しながら、操業を始めている。ただ、稼働に支障があるケースもあり、一部溶断業者は「雨が降ると操業を止めなければならないので、100%稼働とはいかない」と話す。