【きらりと光るわが社の〝得意技〟】〈中農製作所〉水系・小型部品洗浄機「洗浄小町」、インライン化に最適なサイズ

 中農製作所(本社・大阪府東大阪市、社長・西島大輔氏)は、ステンレス・アルミニウムなどの精密切削加工を手掛けるメーカー。1949年の創業でミシン部品メーカーとしてスタート。「その後は中小型船舶の減速機、トラクター部品、自動車部品と業容を拡大してきた。21世紀に入ってからは半導体製造装置、ロボットなどの最先端分野、20業種超の産業機械部品を製造している」(西島社長)。2019年4月期売上高は9億8800万円、従業員数が50名。

 14年にベトナム・ホーチミン市に駐在員事務所を開設、17年には現地で法人化した。日本のマザー工場との国際分業体制を構築した。

 一押し製品は、加工ライン内に設置が可能なコンパクトタイプの水系部品洗浄機「洗浄小町」(特許取得済み)だ。洗浄小町は自社の生産性向上のために13年に開発、外注のタンク類を除けば治具製作を含め全てを自社で設計・製作している。洗浄小町の価格は、同等のレベルの洗浄機に比べて約25%ダウンの約300万円。

 「当社は製造現場を熟知した部品加工屋。洗浄小町はプロフェッショナルな部品加工屋の視点で性能・機能を徹底的に追求した洗浄機。売りは二室構造で洗浄から乾燥がわずか33秒で完了し、インライン化に最適なコンパクトさだ」(上野耕司洗浄機事業部部長)。

 洗浄小町は基本タイプをベースに顧客の要望に応じてカスタマイズしている。

 洗浄小町の仕様はワーク形状が特定ワーク、可動式ノズル、洗浄個数は基本1個、最大ワークサイズが直径200×高さ50ミリメートル、最大重量が1キログラム。洗浄圧力は0・6~0・8MPa、エアー回転方式。インライン化に最適な洗浄機だ。

 その他の特長は(1)部品形状に合わせカスタマイズされた専用アタッチメント(2)コンパクトサイズ(3)同等性能の洗浄機に比べ30%の省エネを実現―など。洗浄小町は自社導入分として4台、販売実績が13台。今年の販売目標は4台。

 「洗浄小町は今、ボディを被せることで大幅にデザイン変更を検討中。工場現場の美化の視点で、〝機械らしい洗浄機〟を目指したもの。販売は現行機とニューデザインタイプの両面で進めたい。同時に作業性改善のため、スイッチ類をボタン式からタッチパネル化に切り替えた。秋開催の「2018洗浄総合展」(10月17~19日、東京ビッグサイト)では、ニューデザインタイプの洗浄小町を出品し来場者に広くPRしたい」(西島社長)。(白木 毅俊)

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