三井金属とダイヘン、銅合金粉末の積層造形事業で業務提携

 三井金属は12日、ダイヘン(大阪市)と銅合金粉末による積層造形に関する技術を利用する事業で業務提携契約を締結したと発表した。

 三井金属はダイヘンが発明した銅合金積層造形法・造形物に用いる銅合金粉末の通常実施権を得て、同粉末を製造・販売できる。また、契約に規定されたダイヘン保有の銅合金積層造形法・造形物および銅合金粉末にかかる発明の使用者から実施料の回収業務も行う。ダイヘンは同技術の使用者に対し、三井金属が製造する銅合金粉末を使用することが望ましい旨を推奨する。

 同業務提携により、ダイヘンが保有する銅合金積層造形法・造形物にかかる発明、およびこれらに用いる銅合金粉末にかかる発明に基づき、三井金属の粉体制御技術と安定した量産技術、両社の事業分野のノウハウを有効活用し、事業領域・収益の拡大を図る。

 ダイヘンは、大阪府立産業技術総合研究所との共同研究で、16年に金属3Dプリンタを使用した銅合金3D積層造形技術を確立している。

 従来、3Dプリンタによる銅の積層造形は、低密度かつ機械強度の弱さが課題だったが、同社は純銅にクロムを添加するなどして純銅と比較し密度99・5%以上、機械強度3倍以上となる銅合金の3D積層造形を世界で初めて確立した。同技術は、「第7回ものづくり日本大賞」の製品・技術開発部門で特別賞も受賞している。

 三井金属は、粒子径、粒度分布、形状、表面処理などの粉体制御技術を生かした銅の金属粉末や機能性酸化物粉末などを開発・製造・販売している。

 ダイヘンは変圧器に始まり、溶接機、産業用ロボット、半導体製造装置用の高周波電源、クリーン搬送ロボットなどの製造・販売などを行っている。

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