「松坂世代」NPB最多勝の杉内が引退 現役投手は7人、名球会入りは厳しいか

中日・松坂大輔【写真:荒川祐史】

杉内はNPB通算142勝で引退、「松坂世代」で100勝以上は3人

 3年間1軍での登板がなかった巨人、杉内俊哉が引退を表明した。右股関節、左肩に重い故障を抱え、リハビリを行う日々だったが、再びマウンドに立つことはかなわなかった。

 杉内は1980年度生れの「松坂世代」の1人。鹿児島実業卒。フラッグシップといわれる横浜高出身の松坂大輔とは、1998年夏の甲子園で対戦するなど、ライバルとして競い合った。

 松坂は1998年のドラフトでプロ入りしたが、杉内は三菱重工長崎を経て2001年のドラフトでダイエー入り。2005年には18勝で最多勝、防御率2.11でMVPにも輝いている。2012年に巨人入りし、4年間は活躍したが、ここ3年は1軍での登板はなかった。

 杉内は「松坂世代」ではNPB最多の142勝を挙げている。この世代からは50人の投手がプロ入りした。その成績を見ていこう。

NPBでの勝利数順 ※はMLBに在籍した投手

杉内俊哉(2002年-2018年)
142勝77敗0セーブ0ホールド 2091回1/3 防2.95

和田毅(2003年-現役)
126勝66敗0セーブ0ホールド 1654回2/3 防3.11

松坂大輔(1999年-現役)
113勝64敗1セーブ0ホールド 1454回 防2.99

久保康友(2005年-現役)
97勝86敗6セーブ20ホールド 1540回1/3 防3.70

館山昌平(2003年-現役)
85勝66敗10セーブ24ホールド 1385回 防3.30

新垣渚(2003年-2016年)
64勝64敗0セーブ0ホールド 1077回1/3 防3.99

木佐貫洋(2003年-2015年)
62勝72敗10セーブ0ホールド 1135回 防3.76

藤川球児(1999年-現役)
54勝33敗225セーブ137ホールド 858回1/3 防2.02

久保裕也(2003年-現役)
51勝36敗37セーブ110ホールド 742回2/3 防3.44

久保田智之(2003年-2014年)
41勝34敗47セーブ117ホールド 612回 防3.16

日米通算200勝、250セーブの「名球会」資格をクリアした投手はなし

永川勝浩(2003年-現役)
37勝42敗165セーブ79ホールド 579回 防3.47

川井雄太(2005年-2016年)
28勝31敗0セーブ0ホールド 489回2/3 防3.44

長田秀一郎(2003年-2017年)
25勝25敗2セーブ85ホールド 420回 防4.14

小野寺力(2003年-2012年)
23勝24敗59セーブ31ホールド 364回 防4.05

江草仁貴(2003年-2017年)
22勝17敗0セーブ48ホールド 442回1/3 防3.15

加藤大輔(2003年-2013年)
22勝28敗87セーブ54ホールド 490回1/3 防3.73

杉山直久(2003年-2012年)
21勝23敗0セーブ0ホールド 429回 防4.01

多田野数人(2008年-2017年)
18勝20敗0セーブ2ホールド 333回1/3 防4.43

石堂克利(1999年-2007年)
11勝10敗0セーブ0ホールド 123回2/3 防6.19

小林正人(2003年-2014年)
11勝4敗1セーブ62ホールド 167回1/3 防2.90

光原逸裕(2005年-2012年)
8勝12敗0セーブ0ホールド 120回1/3 防6.88

小椋真介(1999年-2012年)
7勝9敗1セーブ6ホールド 162回1/3 防5.60

橋本健太郎(2005年-2013年)
6勝5敗1セーブ17ホールド 153回 防3.94

三橋直樹(2006年-2010年)
4勝5敗0セーブ3ホールド 93回2/3 防4.90

星野八千穂(2006年-2009年)
2勝1敗0セーブ3ホールド 23回2/3 防4.94

木谷寿巳(2006年-2011年)
2勝3敗1セーブ3ホールド 75回 防3.96

酒井順也(1999年-2007年)
1勝4敗0セーブ0ホールド 55回 防6.71

酒井大輔(1999年-2004年)
1勝1敗0セーブ0ホールド 83回2/3 防7.10

藤崎紘範(1999年-2007年)
1勝7敗0セーブ0ホールド 97回 防5.94

土居龍太郎(2003年-2007年)
1勝5敗0セーブ0ホールド 89回2/3 防4.22

堤内健(2003年-2007年)
1勝1敗0セーブ0ホールド 15回 防5.40

松本幸大(2007年-2013年)
1勝3敗0セーブ3ホールド 40回1/3 防10.04

矢口哲朗(1999年-2005年)
0勝0敗0セーブ0ホールド 9回2/3 防7.45

高橋一正(1999年-2002年)
0勝1敗0セーブ0ホールド 44回2/3 防3.43

矢野修平(1999年-2004年)
0勝0敗0セーブ0ホールド 8回 防5.63

松本拓也(1999年-2003年)
0勝0敗0セーブ0ホールド 13回1/3 防2.70

寺本四郎(1999年-2006年)
0勝0敗0セーブ0ホールド 15回1/3 防4.70

石川雅実(2002年-2004年)
0勝0敗0セーブ0ホールド 2回 防9.00

伊代野貴照(2003年-2009年)
1勝1敗0セーブ0ホールド 7回2/3 防7.04

栗田雄介(2004年-2007年)
0勝0敗0セーブ0ホールド 1回 防0.00

川添將大(1999年-2002年)
1軍出場なし

丹野祐樹(1999年-2002年)
1軍出場なし

福井強(2001年-2004年)
1軍出場なし

富樫和大(2002年-2004年)
1軍出場なし

小森孝憲(2003年-2005年)
1軍出場なし

植大輔(2003年-2004年)
1軍出場なし

杉山春樹(2004年-2006年)
1軍出場なし

妹尾軒作(2006年-2007年)
1軍出場なし

飯田宏行(2006年-2007年)
1軍出場なし

金森久朋(2007年-2007年)
1軍出場なし

 50人のうち、100勝以上は杉内俊哉、和田毅、松坂大輔の3人。和田は他にMLBで5勝、松坂は56勝を挙げている。また久保康友、館山昌平、新垣渚、木佐貫洋なども先発で活躍した。

 松坂世代は優秀な救援投手も輩出した。阪神が誇る勝利の方程式「JFK」を担った藤川球児、久保田智之、広島史上最多セーブの永川勝浩などだ。一方で、10人が1軍出場がないまま引退している。

 これだけの顔ぶれがそろいながら、日米通算200勝、250セーブという「名球会」資格をクリアした投手はいない。投手の分業が進み、勝利を挙げるのが難しくなった背景はあるが、打者でもこのほど引退した村田修一の1865安打が最多であり、松坂世代の「名球会」入りは、厳しくなってきている。

 杉内の引退表明で、松坂世代の現役投手は和田毅、松坂大輔、久保康友、館山昌平、藤川球児、久保裕也、永川勝浩の7人になった。中には去就が注目される投手もいるが、来季39歳を迎える松坂世代のさらなる奮起に期待したい。(広尾晃 / Koh Hiroo)

©株式会社Creative2

Curated by

mobcast

mobcast