メッツのデービッド・ライトが今季限りで事実上の引退へ

日本時間9月14日、メッツは本拠地シティ・フィールドで記者会見を開き、チームのキャプテンであるデービッド・ライトが日本時間9月26日から始まるホーム6連戦でおよそ2年半ぶりに戦列復帰を果たし、同30日のマーリンズ戦では三塁手として先発出場する予定であることを明らかにした。これが現役選手として最後のプレイとなる可能性が高く、事実上の現役引退となるようだ。

2001年のドラフトでメッツから1巡目(全体38位)指名を受けてプロ入りしたライトは2004年7月にメジャー昇格を果たし、まもなく正三塁手に定着。2005~2010年の6シーズンで打率3割、25本塁打、100打点を各5度マークし、球界を代表する三塁手として活躍した。2007年からは2年連続でシルバースラッガー賞とゴールドグラブ賞をダブル受賞。2009年と2013年にはアメリカ代表の一員としてワールド・ベースボール・クラシックにも出場し、いつしか「キャプテン・アメリカ」のニックネームも定着した。

しかし、150試合以上に出場したのは2012年が最後であり、その後は故障と戦う日々に。特に背中の故障は重傷で、日常生活にも大きな影響を及ぼすほどだった。2015年は38試合、2016年は37試合のみの出場に終わり、昨季と今季はメジャーでの出場はなし。その間、首や肩、背中の手術を受け、完全復活を目指したものの、記者会見でライト自身が「身体的にも、今の自分の感触的にも、そして医者に言われたことから判断しても、これ以上(身体のコンディションが)改善することはないだろう」と語ったように、傷だらけの身体が元に戻ることはなかった。

記者会見では球団側もライト自身も「引退」という言葉を使わなかった。代わりに「プレイできる状態ではない」と説明したが、関係者の話によるとライトは2020年まで残っているメッツとの契約を全うする可能性が高いという。安打、二塁打、四球、得点、打点の各部門で球団記録を保持するチームの象徴は、2020年までロースターに名前を残しつつ、今季限りでグラウンドを去ることになるようだ。

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