今季1軍未出場の30歳以上の選手は36人 故障、世代交代…厳しい現実

ヤクルト・成瀬善久(左)とオリックス・佐藤達也【写真:荒川祐史】

かつてのエース、クローザーも未昇格

 9月に入ると、2軍から初昇格する選手は、両リーグ併せても週に2~3人程度となる。陣容は固まり、戦力もほぼ確定するのだ。しかしこの時期になっても今季、一度も1軍でプレーしていないベテラン選手もかなりいる。

 今年30歳の年を迎える1988年度(1989年4月1日より以前)より前に生まれた選手で、今季1軍未出場の選手は36人いる。/は誕生日。

◯1988年度生まれ
屋宜照悟(ヤ)投手/1989.03.29
遠藤一星(中)外野手/1989.03.23
小山雄輝(楽)投手/1988.12.05 
入野貴大(楽)投手/1988.11.26 育成
ヘルウェグ(広)投手/1988.10.29
戸田亮(オ)投手/1988.09.04
森越祐人(神)内野手/1988.08.11
小豆畑眞也(神)捕手/1988.07.22
大嶺祐太(ロ)投手/1988.06.16
ペゲーロ(ロ)外野手/1988.06.01 退団
菊沢竜佑(ヤ)投手/1988.05.16 
荒木郁也(神)内野手/1988.04.25

 柳田悠岐、秋山翔吾らの世代。オリックスの戸田亮は2013年に投げて以来1軍昇格なし。

 阪神の小豆畑は2012年のドラフト4位だが、一度も1軍でプレーしていない。広島の新外国人ヘルウェグもまだ1軍で投げていない。

◯1987年度生まれ
今成亮太(神)内野手/1987.10.06

 今成は2014年には115試合に出場したが、2016年に82試合に出場したのを最後に1軍昇格なし。ファームでは78試合に出場して5本塁打、.279の成績を残している。

◯1986年度生まれ
縞田拓弥(オ)内野手/1987.01.22
アルメンゴ(ヤ)投手/1986.12.08 退団
坂田遼(西)外野手/1986.10.02
佐藤達也(オ)投手/1986.07.26
久古健太郎(ヤ)投手/1986.05.16

 アルメンゴは中日時代の登録名はジョーダン。1軍の登板がないままに退団。救援投手として活躍したオリックス佐藤、ヤクルト久古も今季は出場なし。

◯1985年度生まれ
藤原良平(西)投手/1986.02.15
小宮山慎二(神)捕手/1985.11.26
白濱裕太(広)捕手/1985.10.31
成瀬善久(ヤ)投手/1985.10.13
伊志嶺忠(楽)捕手/1985.06.22
西村健太朗(巨)投手/1985.05.10

 ロッテのエースだった成瀬も今季は登板なし。巨人の「勝利の方程式」を担った西村もまだ昇格していない。

ソフトバンク・吉村裕基【写真:藤浦一都】

若手の台頭で出番失うベテラン選手も

◯1984年度生まれ
吉村裕基(ソ)外野手/1984.06.14
金澤岳(ロ)捕手/1984.05.05

 横浜時代は主軸を打ったこともある吉村は、層の厚いソフトバンクの野手陣の中、今季は2軍暮らしになっている。

◯1983年度生まれ
山口鉄也(巨)投手/1983.11.11
天谷宗一郎(広)外野手/1983.11.08
寺内崇幸(巨)内野手/1983.05.27

 山口鉄也はNPB最多ホールドの保持者だったが、今年、日本ハムの宮西に抜かれた。山口と西村が1軍で投げていないのは、巨人にとって大きな誤算だろう。広島の天谷も若手の台頭でチャンスがなくなっている。

◯1982年度生まれ
赤松真人(広)外野手/1982.09.06
大松尚逸(ヤ)内野手/1982.06.16

 赤松は2017年1月に胃がんの手術をしたが広島は選手契約を継続。今季は2軍戦に出場している。ロッテの中軸打者だった大松は昨季はサヨナラ本塁打を放つなど存在感を見せたが、今季はまだ1軍の打席に立っていない。

◯1981年度生まれ
脇谷亮太(巨)内野手/1981.11.04
石井裕也(日)投手/1981.07.04

 脇谷はFAの人的補償で巨人から西武に移籍し、西武からFAで巨人に復帰して話題を呼んだが、今季は未出場。

14日、引退会見を行ったDeNA・後藤武敏【写真:荒川祐史】

松坂世代は巨人杉内、DeNA後藤が引退を表明

◯1980年度生まれ
和田毅(ソ)投手/1981.02.21
杉内俊哉(巨)投手/1980.10.30
G 後藤武敏(De)内野手/1980.06.05

 松坂世代の杉内と後藤は、先ごろ揃って引退表明をした。2人とも引退試合などで、今後昇格する可能性はあるだろう。

 松坂世代より年上の選手は、1974年11月生まれの中日、岩瀬仁紀を筆頭に13人いる。このうち1977年1月生まれの広島の新井貴浩も引退を表明した。

 ベテランが姿を消していくのは仕方ないことだが、試合で見慣れた選手がいなくなるのは寂しいことだ。今季1軍未出場のベテラン選手に、またチャンスが巡ってくることを期待したい。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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