【MLB】田中将大が一発勝負のWCゲームに先発する可能性は? 米メディアが分析

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

10月4日に決戦「ワイルドカードゲームで先発するのは誰か?」

 ヤンキースは今季90勝56敗の勝率.616と好調を維持。しかし、同地区のレッドソックスが101勝46敗と圧倒的な強さを見せているため、ワイルドカードでプレーオフに出場することが濃厚となっている。ここにきて注目されているのが、一発勝負の10月3日(日本時間4日)のワイルドカードゲームに誰が登板するのか。当然ながら、田中将大投手も有力候補の一人と見られている。

 現在、ワイルドカード争いは1位がヤンキースで、2位に1.5ゲーム差でアスレチックスがつける。3位レイズとは8ゲーム差と離れており、ヤンキースはアスレチックスと対戦することが濃厚。アスレチックスは西地区首位のアストロズに3.5ゲーム差に迫っているため、シーズン終盤での逆転があれば、アストロズと対戦する可能性も残されている。

 地元メディア「northjersey.com」は「ルイス・セベリーノ、マサヒロ・タナカ、J・A・ハップ:ヤンキースのワイルドカードゲームで先発するのは誰か?」とのタイトルで記事を掲載。この3人を候補に挙げ、それぞれのメリット、デメリットについて分析している。

 まずはハップ。今年7月にヤンキースに加入した左腕は、移籍後は8試合登板で6勝0敗、防御率2.70と快投を続けている。記事では「もしヤンキースタジアムで試合が行われる場合、アーロン・ブーン監督はこの左腕に(対左投手で不利となる為)相手の左打者のパワーを封じ込めることを期待するかもしれない。それに加えてハップは緊張感に包まれるポストシーズンの大舞台に影響されることはないだろう」と指摘。右翼と右中間が狭く、左打者に有利とされるヤンキースタジアムで開催となれば、左腕が先発するメリットがあるという。

 一方で「理想を言えば、ハップには可能性としてあり得るア・リーグ地区シリーズのレッドソックスとの5番勝負で2度登板してもらいたいが、もしハップがワイルドカードの選択肢となった場合、ヤンキースはそのような贅沢はできないだろう」とも言及。安定感のある左腕を5試合制の地区シリーズに2度、投入することが理想であるため、ワイルドカードゲームでは温存することも考えられるとしている。

 次に登場するのは田中。昨年のプレーオフで圧倒的な投球を披露し、絶大な勝負強さは証明済みだ。

田中は昨年快投も…「本塁打で痛い目に遭う可能性が浮かび上がる」

「正しい方向に進んでおり、9月に入ってからの2登板は共に勝利を収めている。タイガースとマリナーズ相手に15イニング投げて、許した失点は1だけである」

 ここにきて調子を上げてきており、ヤンキースとしては頼もしい限りだろう。「昨年、波が激しかったレギュラーシーズンの後、タナカはポストシーズンで素晴らしかった。ヤンキースタジアムでのア・リーグ地区シリーズ第3戦でインディアンスに勝利した(7回無失点)。そして、ア・リーグ優勝決定シリーズで2回先発登板し、ワールドチャンピオンとなったアストロズを相手に防御率1.38とした」。その活躍ぶりは多くの人の記憶にまだ鮮明に残っている。

 一方で、記事では被弾のリスクがあると指摘。「本塁打で痛い目に遭う可能性が浮かび上がる。もしタナカがスプリットとスライダーで優位に立てず、打者有利のカウントで最終的に直球に頼らざるを得ない場合、トラブルに陥ってしまうお決まりのパターンである」。一発勝負の試合では、ホームランを浴びれば致命傷となるだけに、首脳陣は当然、この点についても考慮することになるだろう。

 そして、3人目はセベリーノ。エースへと成長した右腕は今季前半戦は圧倒的なピッチングを見せていたものの、後半戦に入って調子を落としている。

 寸評でも「7月に入った時点では防御率1.98とエースとしての期待に見合う活躍をし、サイ・ヤング賞候補にも名を連ねる程だった。球速も安定していて、試合後半でも90マイル後半を記録していた。つまりシーズンのどの時点でもフィジカルの状態を保てるということを意味している」と評価。昨年はワイルドカードゲームで炎上したが、チームが勝利すると、地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズでは好投。この点もポジティブな要素だとしている。

 逆に、直球が真ん中に集まることが多くなり、スライダーに打者が手を出さなくなったことなどが後半戦の不振につながっていると言及。さらに「セベリーノは昨年秋に迎えた初ポストシーズンに力み過ぎていた。そのためヤンキースは残りの26アウトをブルペンが取ることを余儀なくされ、次のラウンドに進めたのだった」とも指摘。昨年のワイルドカードでの乱調は、やはり決定に影響を与える可能性がある。

 一発勝負の大舞台でマウンドにいったい誰がマウンドに上がるのか。首脳陣も頭を悩ませることになりそうだ。(Full-Count編集部)

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