雇用率水増し受け 長崎県、障害者を追加採用へ 知的障害者、精神障害者 対象拡大も検討

 長崎県は14日、障害者雇用率を水増ししていた問題を踏まえ、本年度に障害者を対象にした採用試験を追加で実施する方向で検討していることを明らかにした。県人事課によると、これまで採用試験の募集対象としていなかった知的障害者、精神障害者も含める方向で検討に入った。
 定例県議会一般質問で、西川克己議員(自民・県民会議)に古川敬三総務部長が答えた。対応案を10月中にまとめる考えも示した。
 県人事課によると、これまでは障害者のうち身体障害者を対象に採用してきたが、千葉県など知的障害者や精神障害者の採用に取り組む他県の事例を調べ、募集対象に含められないか検討。障害者に適した職の洗い出しも進める。
 県は障害者手帳などを確認しないまま自己申告などで障害者として算入。国のガイドラインに反する事態は確認できただけで1999年度以降続き、本年度も18人の水増しがあった。正しい算定だと少なくとも2010年度から9年連続で障害者法定雇用率(18年度から2・5%)を下回っていた。18年度は2・06%。
 古川部長は「国のガイドライン策定後も内容を十分確認することなく漫然と続けてきた。前例踏襲ではなく法令や規則など根拠を確認する公務員としての原点に立ち返る」と答弁した。

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