LEXUS TEAM ZENT CERUMO 2018スーパーGT第6戦SUGO 予選レポート

2018 AUTOBACS SUPER GT Report

SUGO GT 300km RACE
第6戦 スポーツランドSUGO

ZENT CERUMO LC500

#38 立川祐路/石浦宏明

◆9月15日(土) QUALIFY
公式予選総合結果 7位

 公式練習でのまさかの大クラッシュ、そこから夜を徹してのマシン修復、そして長丁場を戦いきってのポイント獲得と、波瀾万丈の一戦となった第5戦富士から約1ヶ月。SUPER GTの2018年シーズンは、終盤戦の重要なラウンドである宮城県のスポーツランドSUGOでの第6戦を迎えた。毎年波乱含みの展開となることから“魔物が棲む”と言われるコースだが、チャンピオン争いのためには、上位でフィニッシュしたいレースだ。

 LEXUS TEAM ZENT CERUMOは第5戦富士を終えた後、ここスポーツランドSUGOでのタイヤメーカーテスト、さらに第7戦に向けたオートポリスのテストと慌ただしくこなしながらも、この一戦にしっかりと準備を整えてきた。そしてその効果は、迎えた9月15日(土)午前9時からの公式練習で確認することができた。

 曇天の下コースインしたZENT CERUMO LC500のステアリングを握ったのは立川祐路。まずはマシンのフィーリングを感じ取ると、好感触を得る。ピットイン〜アウトを繰り返しながら石浦宏明に交代するが、石浦も同様に好感触。この公式練習ではそれぞれ立川が19周を、石浦が25周をこなしていく。

 あいにく石浦のセッション後半からスポーツランドSUGOは雨が降り出したため、コースはウエットコンディションに転じてしまったが、ドライのなかで立川がマークした1分11秒960が公式練習でのZENT CERUMO LC500のベストタイムに。LEXUS TEAM ZENT CERUMOはこのセッションを2番手で終え、好感触を裏付けることになった。

 公式練習途中で降り出した雨は、その後ピットウォーク中に小降りに。公式予選の間までに行われたFIA−F4第9戦、そしてGT300クラスの予選Q1のうちに、コースはドライコンディションに転じていった。ZENT CERUMO LC500はスリックタイヤを装着し、石浦がQ1のアタッカーとしてコクピットに乗り込んだ。

 他車とほぼ同様のタイミングでコースインした石浦は、タイヤをウォームアップさせながら1分21秒991、さらに翌周には1分15秒833と少しずつタイムを上げ、いざアタックラップに臨む。セクター1、セクター2と自己ベストを更新し続け、好タイムが期待された。

 しかしその瞬間、サーキットのモニターに#39 LC500がSPインコーナーでクラッシュする映像が飛び込んできた。ハイスピードのSPコーナーだけに、予選Q1は即座に赤旗中断。石浦のアタックラップは記録されないまま中断を迎えてしまった。

 ただ、安全のための赤旗はやむを得ない。クラッシュ車両の回収の後、セッションは残り2分45秒で再開となった。ピット位置から、石浦に残されたチャンスはわずか1周のアタックだ。集中を高めた石浦は、各車が続々とタイムを上げるのに続いて、一発勝負を決め1分11秒457をマーク。5番手につけ、Q2の立川に繋ぐことに成功した。トップ3が赤旗中断前にタイムを記録していたことを考えると、この石浦のタイムは上々のものだ。

 午前に続きフィーリングも悪くなく、Q2の立川にはさらなる上位進出の期待がかかった。とは言え、重要なのは9月16日の決勝。LEXUS TEAM ZENT CERUMOは決勝と、下がってきていた気温を見据えて、石浦が履いたタイヤよりもわずかにハードめのタイヤを装着して立川を送り出した。

 しっかりとタイヤを温めた立川はアタックラップに入っていくが、気合が入ったか馬の背コーナーのブレーキングでほんのわずかにタイムロス。それでも1分11秒571というタイムをマークしてみせた。ただ、このコースはライバルも速く、終わってみれば立川の順位は7番手。装着したタイヤがややハードすぎたのか、朝の好調ぶりを考えると少々不満の残る結果となった。

 とは言え表彰台、そして優勝を狙うにあたって、何が起きるか分からないこのコースでは7番手は決して悪い順位ではない。展開さえつかむことができれば、オーバーテイクも可能だ。そして立川と石浦のふたりは、その術をもっているドライバー。重要なレースに向け、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはしっかりと準備を整え、決勝日を待つ。

ドライバー/立川祐路
「公式練習では途中天候が変わったりしたもののフィーリングも良く、公式予選はドライで戦えたので、そのあたりは予定どおりに進んだ一日でした。Q1ではライバルたちも速かったので、Q2に向けてタイヤを変える戦略を採りましたが、それが予選に関してはちょっとタイムが伸び悩んだ要因になったかもしれません。でもフィーリングは変わらず良かったので、明日は巻き返せるでしょうし、レースは違う展開にもっていけると思っています」

ドライバー/石浦宏明
「午前の公式練習では、若干コーナーで負けている部分もありつつも、いいフィーリングを感じていました。午後はその部分を修正できたのを感じながらアタックに臨みましたが、赤旗中断は僕としてはちょっと厳しいタイミングでしたね。みんな同じ条件なので仕方ありませんが。再開後、フィーリングが良かったこともありタイムも出すことはできましたが、予選はライバル勢が速かったですね。ただ、自分たちの最善のポジションからスタートを切ることができると思います。天候が分かりませんが、予選上位のライバルと戦う準備はしてきているので、チャンスはあると思っています。明日が楽しみですね」

浜島裕英監督
「今回のレースでは走り出しから調子が良かったですね。予選Q2では気温のことも考え、ハードよりのタイヤを装着したこともあり7番手という結果となりましたが、クルマのフィーリングはいいものを感じています。7番手という順位は一見悪いかもしれませんが、このサーキットでのレースは何が起きるか分かりません。長い戦いですし、以前は立川選手が素晴らしい追い上げをみせてくれたこともあります。クルマが決まっていれば、上位に出られる可能性が高いです。チャンピオンシップを考えると、明日は大事なレースになります。とにかく明日、チーム一丸となって全力で突き進みたいと思っています」

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