吉田家住宅復旧に弾み 陸前高田、県文化財指定継続へ

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東日本大震災で流失した吉田家住宅の一部=2011年3月

 東日本大震災で被災した陸前高田市の県有形文化財(建造物)吉田家住宅の復旧に向けた動きが加速している。主屋の一部が保管されており、今後の復旧が見込まれるため、県文化財保護審議会(会長・熊谷常正盛岡大教授)は14日、名称を変更して文化財指定を維持するよう高橋嘉行県教育長に答申。復旧へ向けた市民の期待が高まっている。

 仙台藩の大肝入(おおきもいり)を代々務めた吉田家の住宅は、1802(享和2)年建築。主屋、土蔵、みそ蔵、納屋の4棟からなり、同藩の地方支配を物語る建物として同文化財に指定されていたが、4棟全てが被災した。

東日本大震災で流失した吉田家住宅の一部=2011年3月

県教委の呼び掛けで地元関係者らが部材を回収。主屋は62・5%が集まり、洗浄や脱塩などを経て同市矢作町の市立博物館内に保管している。同審議会は、復元を前提に同文化財指定を維持する一方、主屋の所有者が個人から市に移ったため、名称を旧吉田家住宅主屋とするよう答申した。

 他の3棟は主要部分が流失し、部材残存率が土蔵9・3%、みそ蔵2・0%、納屋28・0%にとどまったため滅失と判断。市が7月6日付で県教委に滅失届を提出した。

 主屋の文化財指定が継続される見通しとなったため、市民からは15日、復旧に向け弾みがつくと歓迎の声が上がった。