【平成の長崎】第11ドームを確認 長さ100㍍、舌状に延びる 平成5(1993)年

 雲仙・普賢岳の東側斜面に3月17日隆起した新しい溶岩塊について、20日上空から観測した九州大島原地震火山観測所の太田一也所長は「第11ドーム」と確認した。新ドームの誕生は2月2日の第10ドーム以来。
 太田所長によると新ドームは長さ100㍍、幅数十㍍、高さ50-60㍍。花びら状のわき出し口から先端部まで舌状に延びている。溶岩の供給量は4万-5万立方㍍と先月に比べ半減しているが、わき出した分は水無川方向へ崩落を繰り返している。
 また同所長は「第10ドームは成長を停止したが亀裂が発達し不安定な状態。北東側のおしが谷方向や北側へ規模の大きい火砕流が発生する恐れがある」として警戒を呼び掛けている。
 雲仙岳測候所によると、午後10時までの火山性地震は47回、微動は16回、うち火砕流とみられる震動波形は6回だった。(平成5年3月21日付長崎新聞より)
   ◇   ◇   ◇
【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

普賢岳の東側斜面に確認された第11ドーム=3月20日午前10時すぎ、太田一也九大島原地震火山観測所長撮影

© 株式会社長崎新聞社