人間じゃない!? 五輪選手からゆっくり走れと言われたスピードスターとは

ドリブルを仕掛けるトラオレ photo/Getty Images

現在プレミアリーグのウォルバーハンプトンでプレイするMFアダマ・トラオレは、何よりもスピードが武器のサイドアタッカーだ。そのスピードを活かしてドリブルを何度も成功させており、その成功率はリオネル・メッシやキリアン・ムバッペと比較される領域にある。その驚異的なスピードに驚いたのはサッカー界だけではないようだ。

英『Birmingham Live』によると、アテネ五輪でイギリス代表選手として4×100mリレーで金メダルを獲得した陸上のダレン・キャンベルもトラオレのスピードには驚かされたのだという。キャンベルはトラオレがミドルズブラにいた際、走りのコーチとしてチームトレーニングに参加したことがあるという。その際はミドルズブラの選手たちからトラオレとの100m走をリクエストされたこともあったようで、それほどトラオレは速いと評判だったのだ。

しかし、サッカーはただ速いだけで上手くいく競技ではない。トラオレは確かに速かったが、プレイの精度には疑問があった。そこでキャンベルは、もう少しゆっくり走ってみてはどうかとアドバイスしたことを明かしている。

「彼は非常に速く、全てをスピードで解決しようとしているかのようだった。全速力の中でパス、クロスを出そうとね。でもそれではコントロールできない。だから彼に言ったんだ。君は速いから、80%程度のエネルギーで走れば誰でも抜ける。80%で走ればもっと余裕が与えられるだろうとね」

トラオレはバルセロナの下部組織出身の選手で、当時から注目はされていた。ここまで大舞台で結果を出してきたわけではないが、まだ22歳の選手だ。同メディアが「人間じゃない」と指摘するほどのスピードでプレミアを支配してほしいところだ。80%のエネルギーで走っても、十分プレミアのDFを苦しめることができるだろう。

© 株式会社FACTORIES