【北海道胆振東部地震】道内鉄鋼業、活動を再開

資材供給やリサイクルで早期復旧へ貢献

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 6日午前3時8分頃に発生した「平成30年北海道胆振東部地震」では北海道で観測史上初となる最大震度7を記録。その直後には道内全域約295万戸が停電するブラックアウトが起きた。また、地震発生前日の5日には台風21号も本道へ接近し多方面で被害が確認されている。相次ぐ自然災害もさることながら、全道に及んだ停電は市民生活や企業活動に今なお大きな影響を及ぼしている。しかし、道内鉄鋼業界各社は早々に全面復旧へ向けた活動を開始し、資材供給などを通じて市民生活や企業活動の正常化に動き出している。

 停電の影響で操業を休止していた新日鉄住金室蘭製鉄所は7日早朝には高炉の送風を再開し、9日午前8時までに全設備の稼働を再開。通常時にも自家発電の一部を北海道電力へ供給していたが、要請に応えて予備機も稼働させて北電への電力供給量を通常以上に増やし、電力不足に対して全面協力している。

 日本製鋼所室蘭製作所も設備面での被害はなかったものの停電で操業を中止していた。しかし、10日中に通常の業務・操業可能体制へ移行し、節電対応を一層強化しながら顧客への製品供給を再開した。

 北海道唯一の薄板二次加工メーカーの北海鋼機は電力が回復した8日から設備点検を行い10日からデリバリー、11日にはカラーラインの稼働を開始した。節電要請にも協力しながら、人々の生活や企業活動を守るカラー鋼板などの供給に努めている。特に今回の地震による被害ばかりではなく、5日に北海道へ接近した台風21号でも全道各地で住宅・非住宅の屋根・壁などで相当な被害が生じており、円滑な資材供給で復旧を支援する。

 JFE条鋼豊平製造所と清水鋼鉄苫小牧製鋼所はともに8日に通電が再開し、12日夜から製鋼を開始。これに先立ちデリバリーも通常再開しており、節電目標20%に対応した操業体制で基礎材ともなる製品の安定供給に努めている。

 リサイクル業界では、マテックは停電に伴う休業を経て10日までに全道で通常の受け入れ・設備稼働を開始した。鈴木商会も地震と停電による道路・交通状況を考慮して6日から9日まで全社臨時休業したが、10日には全社で通常の受け入れと稼働を再開。両社とも予定していた引き取りや集荷業務がずれ込む中、節電要請に応えて各処理工程の組み替えや、車両運行を調整しながら資源リサイクルを続けている。すでに先週初めの時点で被災市町村などから〝災害ごみ〟の集荷や処理に関する問い合わせや依頼が寄せられており、その対応を通じて全道で復旧に貢献する。

 流通各社も未だ一部では交通面での支障はあるものの、通電再開と共にいち早く通常業務へ移行しユーザーへの資材供給を開始した。その動きは震源に近い苫小牧市や千歳市を始め全道の各特約店も同様。休業日だった土曜日の8日も通電後には臨時営業を行ったケースも多く、復旧になくてはならない潤滑な資材供給に努めている。

 震源の厚真町やその周辺地区、札幌市内で最も被害が大きかった清田区里塚地区や東区を始め、地震前日の台風21号被害を含めて全道で住宅や道路、インフラに甚大な被害が発生している。その復旧には鉄鋼製品やリサイクルが不可欠。〝冬〟と言う季節要因が大きく影響する北海道にあって時間は限られる。道内鉄鋼業界各社は各々の立場で役割を担い、早期の復旧へ向けて進んでいる。