本木昌造の刀、初公開「日本美術刀剣と押形展」 長崎歴史文化博物館、24日まで

 平安時代から江戸時代の刀剣を集めた「日本美術刀剣と押形(おしがた)展-信長が愛した名刀」(長崎新聞社など後援)が、長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館3階企画展示室で開かれている。24日まで。無料。
 ことしで創立50周年を迎えた日本美術刀剣保存協会県支部(廣井順二支部長、38人)が主催。同規模の展覧会を開くのは44年ぶり。
 日本刀は平安中期に完成した日本固有の製法による刀剣で、現在は美術品として鑑賞されている。2015年ごろからは、名刀を擬人化したオンラインゲームをきっかけに、刀剣に興味を持つ女性が増えているという。
 同展では、日本刀の刀身と、それを拓本のように写し描きした「押形」など69点が並ぶ。目玉は、長崎生まれで日本の活版印刷を創始した本木昌造が所有した刀「荘司(しょうじ)美濃介(みののすけ)藤原直胤(ふじわらなおたね)華押(かおう)」。10年ほど前に長崎市内の旧家で廣井支部長が発見したもので、初公開となる。また、戦国武将・織田信長が1571年の比叡山攻めで帯刀したと伝わる刀「左衛(さえ)門尉(もんのじょう)藤原氏房造(ふじわらうじふさぞう)」は九州初上陸という。
 展示している刀の約7割は長崎の愛刀家が所有しているもの。時代順に並べられた刀身は、長さや形状が少しずつ違い、時代ごとの戦法の移り変わりを伝えている。廣井支部長は「若い世代の人に刀を好きになってもらい、世界に誇れる日本の文化を託したい」と話している。

初公開されている本木昌造所有の名刀=長崎市、長崎歴史文化博物館

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