観光客1.28倍 潜伏キリシタン世界遺産登録1ヵ月 「外海の大野集落」の大野教会堂は3倍超

 長崎市は18日の定例市議会総務委員会で、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録後の1カ月(7月)で、同市内の「外海の出津集落」「外海の大野集落」「大浦天主堂」の3構成資産6施設全体の観光客数が前年同期に比べて、1・28倍の3万8505人になったと明らかにした。
 構成資産別にみると、最も来場者数が増えたのは「外海の大野集落」の大野教会堂で、3・33倍の930人。「外海の出津集落」の旧出津救助院は1209人(前年同期比2・36倍)、出津教会堂は3125人(同2・09倍)、外海歴史民俗資料館は1344人(同1・93倍)、ド・ロ神父記念館は1486人(同1・81倍)、「大浦天主堂」は3万411人(同1・16倍)だった。
 7月は、JR長崎駅かもめ広場に設置されている「世界遺産案内所」への潜伏キリシタン関連遺産に関わる相談件数が、前年同期と比べて10倍の500件となった。
 8月も6施設は好評で、前年同期と比べ1・32倍の計6万4801人が訪れた。市によると観光客の増加で、駐車場やトイレに長い列ができるほどの大きな混雑はなく、ガイド不足や地元住民からの苦情も現時点で寄せられていないという。
 だが世界文化遺産登録になっても、外海歴史民俗資料館や道ノ尾駅などをつなぐ土日祝限定のシャトルバスの利用客が、1日に10人未満と少ない。市は「必要なサービスを随時検討したい。今後も継続的に観光に訪れてくれるように民間とも協力していきたい」としている。

観光客数が前年の7月より3倍に増えた大野教会堂=長崎市下大野町

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