<隠れた名盤> 當山みれい『Answer』 タイトル曲の説得力が半端ない

當山みれい『Answer』

 2ndアルバム。15歳のデビュー当時は、“歌もダンスも作詞作曲もできる天才肌”という触れこみが目立ったが、20歳となった現在は作品自体がじわじわと共感を得ている。

 特に話題なのが、清水翔太『My Boo』、KREVA『音色』などヒットしたラブソングへのアンサーソング(『Dear My Boo』、『音色 Regards』)を発表したことで、本作にも全11曲中5曲を収録。原曲のメロディーやサビの歌詞を残しつつ、その意図を汲んで追加した歌詞や、キュートな歌声から、原曲の彼と本作での彼女は恋人なんだろうと自ずと想起させる。

 また、彼女オリジナルの曲も良い。恋敵のインスタを探してしまうという切ないダンスポップスの『Lie』や、大切な人への感謝をつづったバラードの『君のとなり』は、初期の西野カナにも匹敵するほどヒット感が強い。それだけ楽曲が洗練されているのだ。

 ラストに収録されたタイトル曲『Answer』も圧巻。「彼氏のスペック」や「いいねの数」を気にしたり、「まばらな客席」や「増えては消える調子の良い大人たち」を体験したりを経て、それでも「一筋の光」を信じて進もうと歌い上げ、その説得力が半端ない。本作を聴けば、悩みながらも夢を追う人たちをもっと支えたくなるはず。

(ソニー・CD通常盤3056円+税)=臼井孝

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