鋼管杭用継手「ハイメカネジ」、JFEスチールが拡販 機械式で適用範囲を国内最大に改良、小型化で高施工性

 JFEスチールは18日、鋼管杭用機械式継手「ハイメカネジ」を大幅にリニューアルし、土木研究センターによる建設技術審査証明を取得したと発表した。大径・厚肉・高強度の鋼管杭や鋼管矢板などに対応。適用範囲を機械式継手では国内最大に拡大したほか施工性を向上させた。さらに継手の短尺・軽量化により従来比約5割のコンパクト化を実現。従来の道路・鉄道分野に加え、今後は港湾分野などにも積極的に拡販し、継手付き鋼管杭として従来比3倍超となる年間3千~4千トンの販売を目指していく方針。

 「ハイメカネジ」は鋼管杭の現場接合に一般的な溶接ではなく、ねじを用いた技術。ピン継手、ボックス継手および逆回転防止ねじで構成される。鋼管寸法に関係なく10~15分で施工できるなど溶接に比べ施工時間を大幅に短縮。また、熟練工が不要で省力化を実現するとともに継手部の安定した品質を確保できる。

 市場からの評価は高く、1998年の販売開始以来、道路・鉄道分野を中心にこれまで100件以上の工事で採用されている。

 近年、建設需要の増加により工期短縮や省力化施工のニーズが拡大。熟練溶接工の不足なども背景に「ハイメカネジ」の需要も急増していたが、需要家の声をきめ細かく取り込んで改良した。最大径は従来の1・2メートルから2メートルへ、最大板厚も従来の35ミリから60ミリに拡大。さらにSM570材まで対応可能となったほか打撃・振動工法など打ち込み杭工法にも適用可能となった。

 加えて、従来高さ4~5ミリだったねじ部のねじ山を12ミリとして3山から1山へ削減。4条ねじから16条ねじとすることで、外径1メートルの薄肉鋼管用継手では従来比半分以下となる8分の1回転で接合可能となった。

 構造実験や数値解析に基づく短尺化および軽量化も実現し、販売価格は大径サイズで平均2割程度低減できる。生産はJFEチュービックとその協力会社で行う。

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