【平成の長崎】夏の長雨「悲鳴」深刻 がけ崩れ相次ぐ 前線、九州北部に再来 平成5(1993)年

 長崎県地方は7月26日の梅雨明け後も、連日雨に見舞われ、夏とは思えない天候が続いている。夏休みを当て込んでいた海の家や観光地などへの客足はさっぱり。8月2日も各地で断続的に強い雨が降り、がけ崩れなどが相次いで発生した。
 長崎海洋気象台によると、8月1日の降り始めから2日午後6時までの雨量は野母崎258㍉、長崎180㍉、深江138㍉、諫早114㍉など。
 この雨のためがけ崩れなどが発生。長崎市柿泊町では幅約20㍍、高さ約5㍍にわたりがけが崩れ、県道が全面通行止め。復旧は3日以降になる見込み。このほか民家の一部破損2件、がけ崩れ2件、道路損壊4件が発生した。
 この雨で空の便は長崎航空の長崎-壱岐など14便、エアーニッポンの長崎-福江など4便が欠航。海の便では九州商船のジェットフォイル1往復が運行を中止した。
 同気象台はこの雨について「太平洋高気圧の周辺部にあたり不安定な天気になっている。この高気圧の勢力が例年になく弱いため、停滞前線が再び九州北部に南下し梅雨末期と同じような気圧配置になっている。4日までは不安定な天気が続く」と話している。(平成5年8月3日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

崩れ落ちた岩や土砂のため全面通行止めとなった県道=8月2日午前10時ごろ、長崎市柿泊町

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