ロシア人モデル「プーチンは私の死望んでいる」主張

また英南部で毒殺未遂か

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太田清

共同通信大阪支社統括整理部長

太田清

共同通信大阪支社統括整理部長

共同通信社入社後、広島支局、大阪社会部、外信部、経済部、ベオグラード支局、モスクワ支局、ローマ支局、47NEWS編集長などを経て2019年10月より現職。イトマン事件、阪神大震災、コソボ紛争、ユーゴ空爆、モスクワ劇場占拠、アフガン紛争、ギリシャ財政危機、東日本大震災などを取材。

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16日、英南部ソールズベリーで、2人が不調を訴えたレストランの周辺に集まる警察当局者ら(ゲッティ=共同)

 化学兵器として開発された神経剤ノビチョクによるロシア元情報機関員暗殺未遂事件が今年3月に起きた英南部ソールズベリーで16日、レストランで食事をしていた男女2人が体調不良を訴え病院に運ばれた。女性は回復したものの男性は重体。警察は毒物による殺人未遂の疑いで捜査を始めた。英大衆紙サンなどが19日までに伝えた。 

 2人はロシア人モデルのアンナ・シャピロさん(30)と夫のアレックス・キングさん(42)。シャピロさんは父親がロシア軍高官である一方、外国に移住しプーチン政権を批判する発言をしてきたことなどから「政権にスパイと見なされ」これまでも殺害の脅迫を受けてきたと述べ、「プーチンは私の死を望んでいる。事件はプーチンの部下らにより仕組まれた」と主張した。 

 警察当局によると、使用された毒物はノビチョクではなく、極めて強い毒性を持つストリキニーネの可能性が高いという。 

 シャピロさんはロシア西部ニジニーノブゴロド生まれ。2006年にイスラエルに、08年にロンドンに移住。そこで、ビジネスマンのアレックス・キングさんと知り合い結婚した。2人は英南部への転居を希望し、ソールズベリー近郊のホテルに宿泊。イタリアンレストランで食事をした後、最初に夫がトイレに駆け込み「口から泡を吹いている」状況だったため、救急車を呼んだという。後にシャピロさんも気分が悪くなり病院に搬送された。シャピロさんは17日に退院したが、警察の24時間警護の元で地元のホテルに滞在している。 

 2人が食事したイタリアンレストランは、3月の事件でロシア元情報機関員とその娘が重体になる直前に食事をしたレストランのすぐ近くだったという。現場となったイタリアンレストランはノビチョクによる汚染の恐れがあったことから、防護服を着た作業員らにより一時、閉鎖された。 (共同通信=太田清)