ホンダF1のパワーユニット、ロシアGPでアップグレードとの説。ドライバーからは車体の大幅改善を切望する声も

 トロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーは、大きな期待を抱いていたF1シンガポールGPで苦戦したことに落胆し、トロロッソのアップグレードが早急に導入されることを強く希望すると語った。一方、ホンダはパワーユニット/エンジンのアップグレードを次戦ロシアGPで導入するのではないかという説が浮上している。

 相性がいいと思われたシンガポールGPで、トロロッソ・ホンダはピエール・ガスリーが予選15番手から決勝13位、ハートレーが予選17番手から決勝17位と、期待とはかけ離れた結果に終わった。

 トロロッソは早急に車体のアップグレードを行う必要があると、ハートレーは述べている。チームはオーストリアGPで新型エアロパッケージを導入したが、大きなパフォーマンス改善は得られなかったとハートレーは明かした。

「ずいぶん長い間、アップデートが入れられていない。他のチームは僕らよりも大きな改善を果たしているようだ」とハートレー。

「前回アップデートが入れられたのはオーストリアだったが、大きなパフォーマンス向上はなかった。それにかなり前の話だ。できるだけ早く次のアップデートを入れる必要がある」

「じきにホンダもトロロッソも新しい仕様を入れる予定だ」

「オーストリアでのアップデートは機能しなかった。それは誰もが認めている。今後の開発への問いかけが行われ、チームは問題を解決するために懸命に取り組んでいる」

「(シンガポールは)パワー感度が低いサーキットだし、いずれにしても僕らはホンダを非難してはいない。モンツァではそれなりの競争力を発揮し、中団のなかで戦う力があることを示せた」

■ホンダの“スペック3”は日本GP前に導入か

 ホンダはカナダでアップグレード版パワーユニットを投入、次の改良型“スペック3”はアメリカGPで導入されるとも予想されていたが、ロシアに前倒しされるのではないかという説が出てきている。

 新仕様のパワーユニットに交換した場合、ガスリーとハートレーはグリッド降格ペナルティを受け、最後方からレースをスタートすることになる。しかし翌週行われるホンダのホームレース、日本GPではパフォーマンスが向上したパワーユニットを使用し、ペナルティもなく戦えるというメリットがある。

 ドイツのAuto Motor und Sportは、あるマニュファクチャラーから入手したというICE(内燃機関)のパフォーマンスに関するデータを公表。それによると、ホンダの現在のエンジンはルノーの最新スペックCよりは劣るものの、スペックBは上回っているという。さらに同誌は、ホンダが次回導入するスペック3はルノーのスペックCを完全に上回るものになると予想している。

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